アラビアのアピラのロゴの謎解明とアラビアロゴのオマケ話

先日、フィンランドとスウェーデンとデンマークからそれぞれ荷物が届きました。今週のアップから、春の買い付け品にプラスして少しずつアップしていきます。
フィンランドから届いた荷物には、アラビアのアピラ(Apila)も入っています。昨年末には2006年から2010年に再生産されたコーヒーカップ&ソーサーとプレートをアップしましたが、今回は1970年代に作られたオリジナルのティーカップ&ソーサーです。並べて比べたわけではないので確信はないのですが、印象として復刻よりも少し色が明るいかな。
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バックスタンプを見ると、1960年から71年まで使用されたロゴが付いています。アピラの製造期間は1971年から73年なので、それに照らし合わせると71年の初年度の製造ということでしょうか。
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でも、あれ、おかしいよね。以前入荷したオリジナルのアピラもこのロゴでした。調べるとビンテージのアピラはどれも71年までに使われたロゴばかりで、71年以降のロゴの物が見当たりません(あるかも知れませんが、私の探す限りでは)。
※アラビアのロゴ1964-71年と1971-75年
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日本のショップの中にはアピラは1971年の1年限りの生産だったと書いているところもあります。けれどもアラビアの正式な資料で71年から73年までとあるので、1年限りの生産というのは間違い。ただ、その間違いが起こったのはこのロゴ問題が原因かも知れません。
アラビアのこのロゴの時代はバックスタンプに製造年月を記載している場合もあります。例えばアラビアの王冠(実際には窯の絵→後で説明します)型ロゴの下に「5-69」とあれば、1969年5月の生産の意味です。調べるとビンテージのアピラの中には製造される以前の、69年や70年の製造を示すスタンプが押されている製品もあるではないですか。
そこで、色々資料を当たってみると面白い事実が出てきました。
実は、アピラは型だけ先に作ってあったのです。いや、正確にはアピラではなく、パラティッシの型(BKモデル)ですね。アピラは同じデザイナーのビルイェル・カイピアイネンの名作、1969年から74年まで作られたパラティッシと同じ形のデコレート違いです(パラティッシは1988年に復刻し現在に至る)。
アラビアによると、1960年代から70年代の初めまでは既にある製品の型を、何か他のデコレーションをする場合のために、作りだめすることをしていました。ちなみに、この習慣は1973年から74年の間に廃止されました。
アピラのデコレーションが承認されたのは1970年5月28日(こんな正確な日にちが残っているのですね)。約半年の準備期間を経て1971年から販売が開始され、73年に終了しています。その時に使われたのが、ストックして既にロゴがつけられていた型という訳です。
このエピソードを知って、アピラ以外でもこの時代の製品に妙にばらつきがある理由がやっと分かりました。もしお手元にビンテージのアピラがありましたら、ちょっと裏返して確認してみて下さい。何年の製造でしたか?
こちらのビンテージApila(アピラ)ティーカップ&ソーサーは8月25日アップ予定です。
さて、オマケでアラビアのロゴのお話。アラビアのロゴは2014年6月に下記の画像のものに変わりました。
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ちなみに、このロゴはアラビア元工場の壁面のフォントと同じ。原点に返るという意味でしょうか。
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1949年から2014年まで使われてきた、いわゆる「王冠」マークが無くなったわけですが、王国でもないフィンランドで王冠は不思議。実はこれは王冠ではないとご存知でしたか?
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王冠に見えるマークは1917年から32年まで使われていた焼き窯のフォルムのロゴの頭の部分をひっくり返したものです。
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この焼き窯マークの頭の部分をひっくり返すアイデアはカイ・フランクによるものだったそうです。
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以上、アラビアのロゴに関するトリビアでした。
ミタ

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