入り口はここから

こんにちは。
今日、ご紹介するのは、RorstrandのEntreコーヒーポット。Entreとは「入り口」を意味します。
1957年発表のモダンレトロなデザイン。

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このデザインが発表された1950年代、歴史の浅いアメリカでは、戦後のモダンデザインが容易に受け入られ発展していったのに比べ、ヨーロッパではそれほど急激には広がらなかったそうです。

ヨーロッパを舞台にした戦争は、新しいものをすぐに受け入れるにはあまりにも深く彼らを傷つけていました。
戦争によって破壊された住み慣れた町、安定した生活。失った家族。
心のよりどころは、数世紀にわたって培われた美しい文化や、それを証明する古いものたちだったといいます。

それは例えば、おばあさんの使っていた食器やおじいさんから受け継いだ家具。
捨て去るにはあまりにも美しく、過去の歴史を象徴するものたち。
18世紀の時計に合うヤコブセンの家具が、19世紀ヴィクトリア調のテーブルに合うロールストランドの食器がゆっくりと人々の生活に入っていったのだとか。
このEntreは、艶のあるウォームグレーのボディに、つや消しのエッチングがアクセントとして施されています。

まったく異なったテクスチャーが、独特のハーモニーを生み出し、静謐な美しさをかもし出しています。
どちらかというクラシックなフォルムなのに、このエッチングのアクセントがEntreを一気に50年代のモダンテイストに変化させ、伝統とモダンの融合のようにも見えます。

このデザインなら、モダンなインテリアだけではなく、クラシックなインテリアにも溶け込んでいったのでしょうね。
使い込まれた古いテーブルに置かれたEntreのコーヒーセット。北欧の朝がゆっくりと明けていくように、新しい時代の入り口に人々がゆっくりと足を踏み出す。

そんな朝の風景が思い浮かぶようなポットです。
ミタ

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