北方の民族サーミをイメージしたティーカップ「ヨックモック」

鮮やかな青、赤、黄色のラインが引かれた印象的なデザインのカップ&ソーサー、Jokkmokk(ヨックモック)が入荷しました。
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メーカーはスウェーデンのロールストランド。ヨックモックとは、スウェーデンの北方にある人口2700人ほどの小さな街の名前です。ノルウェー、スウェーデン、フィンランドにまたがるラップランドと、北方ロシアに住む少数民族、サーミ人の街として知られ、第二次世界大戦中はノルウェーからのサーミ人難民の通過センターがありました。
ヨックモックの色はサーミの伝統衣装から取られたものでしょう。
この写真は英語版Wikipediaにあった、スウェーデンのサーミの女性です。写真が暗くて分かりづらいですが、青の地に赤と黄色の縁取りがされ、強い色のコントラストが雪の中で美く輝いています。
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この赤、青、黄色の3色はサーミの民族衣装を特徴付ける色彩で、サーミ人のシンボルとして、民族の象徴であるサーミ旗にも使われています。現在の公式サーミ旗には緑が使われていますが、実はこのデザインは1986年に作られた2番目のもの。
Sami_flag.svg.png
1977年の最初の非公式サーミ旗は、ヨックモックのデザインと同じ3色でした。
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カップの配色はまさに、非公式サーミ旗と同じです。
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このカップは、サーミ旗に影響されて作られたのかな、と思ったのですが、バックスタンプに1973年まで使われていたVDN(品質保証)マークが入っているので、こちらの方が何年も早かったようです。
事実はそうそうドラマの様に感動的では無いものです。
ところで今回、ブログを書くにあたって、サーミの衣装の良い写真が無いかと探していたら、素晴らしいサイトに出会いました。
写真家のLaila Duránによる民族衣装の写真の数々を掲載したブログです。著作権があるので、こちらで掲載出来ないのですが、彼女の写真集の中身を紹介したサイトにリンクを貼りましたので、是非ご覧になって下さい。下から2番目の写真にサーミの衣装があります。
Scandinavian Folklore vol. II
こんなに美しい衣装ですが、かつてはサーミ人に対する差別や軽視のため、身分を明かすことになる民族衣装を身に付ける人は減少し、作れる人も減ったそうです。それが、最近になり若い世代を中心に見直しがされ始め、徐々に着る人も増えてきたとか。
ロールストランドのヨックモックはデザイナーなど詳細は分かっていません。このカップが作られた1970年代初めの頃はまだ民族差別が強かった時代かも知れません。その中でサーミの街の名前を付けた、サーミカラーのデザインを世に出す事は一つの挑戦……いや、事実はそんなに感動的ではないですね、きっと。
ミタ
シガールで有名な日本のお菓子メーカー「ヨックモック(Yokumoku)」は、このサーミの街「ヨックモック(Jokkmokk)」に由来しています。
ヨックモックのサイトによると
「スウェーデンの北部、北極圏の線上にある、森と湖に囲まれた小さな町JOKKMOKK。それが私たちの社名のふるさとです。そこには自然の厳しさとは対照的な家庭の温かさがあります。その語らいを弾ませるのは、いつも食卓を飾るホームメードのお菓子たち。その真心がこもった、手づくりのおいしさのイメージを目指して、私たちは社名をヨックモックと名付けました」
とあります。

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