カンガルーを描いたフィンランドの子供用食器

こんにちは。台風の影響で雨風が強い東京です。
今日オリンピックが終了しましたね。世界各国の人が国旗と共に入場してきた閉会式を観ると感慨が湧いてきました。私にとってオリンピックの楽しみは、もしかしたら競技そのものより、普段聞いたことも無い国やその国の人たちを知ることかも知れません。
こちらは、フィンランドのアラビア製の子供用プレート「Kengu」です。Kengu(ケング)とはフィンランド語でカンガルーの事。一見キツネのようにも見える顔ですが、良く見るとお腹に袋があり、子カンガルーが入っています。お母さんカンガルーは水玉やストライプの服を着て、バッグやリボンでオシャレして、とってもスタイリッシュ。
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製造期間は1973年から74年。カンガルーの生息地オーストラリアはフィンランドから遠く離れた国ですが、70年代にはテレビが普及し、国際線も増え、世界の様々な情報が次々と手に入るようになったのでしょう。デザイナーのGOG(Gunvor Olin-Gronqvist/グンヴァル・ウリン=グラングヴィスト)はどこでオーストラリアのカンガルーを知り、モチーフにするアイデアを得たのでしょうか。テレビや雑誌、もしかしたら動物園かな。
ところで昨日の我が家の食卓で家人に「子供の時に本やテレビに出てくる食べたこともない外国料理に憧れてね」と話をしていて「昔『世界の料理ショー』って番組があったでしょ?ウサギ料理あって、ウサギ食べるんやー、美味しそうと思ってたの」「可哀想でなくて?」「美味しそう」。
思い出したら観たくなったので、探すと番組がYoutubeで簡単に見つかりました(ウサギ料理はなかったですが)。いい時代ですね。いくつもの動画がありましたが、カンガルーに敬意を表してオーストラリア料理の回はこちら。

かなりの創作が含まれると思われる日本語吹き替えの軽快な調子に、何十年も経ったいまでも面白く見入ってしまいます。
私が観ていた日本での放送はオリジナルよりも時代が後なのですが、当時でもまだまだ外国は遠い国。知らない国の知らない料理や食材に毎回ワクワクと胸躍らせ、いつか食べてみたいと夢見ていました。
70年代にアラビアのカンガルー柄食器を使っていた子供たちも、見たことのない不思議な動物のいる国を想像し、ワクワクと夢見る事があったのでしょうか。40年前、北国フィンランドの子供にとってはカンガルーの駆ける赤い土の乾燥した大地は遙か遠い地だったことでしょう。
そう言えばこの食器の販売される前年、1972年は札幌オリンピック。ウィンタースポーツに強いフィンランドは、もちろん出場し、5つのメダルをとっています。フィンランドの人たちにとって、文化も人種も全く異なる日本の国や人はどのように映ったのでしょうね。
オリンピックをきっかけに、テレビや小説を通して、遠い外国に憧れていた子供の頃の自分を思い出しました。ちなみに、アジア、アフリカ、ヨーロッパと世界半周した祖父の話を小さな頃に聞いていた私の夢はいつか自分も世界を周る事。お年玉やお小遣いを使わずにコツコツと貯めて、まとまったお金が出来て、初めて自分のお金で外国に行ったのは高校生の時。
それからは、交通機関の発達や円が強くなったりと、世界はだんだん狭くなっていき、気が付けばもう40か国以上訪問。いつの間にか祖父の周った国よりも多くなっていました。
小さくカラフルな食器を通して、デザインをしたGOGや使っていた子供のことを想像したり、自分の子供時代を思い出していた、オリンピック明けの月曜日です。
ミタ
P.S.1
同じく子供の頃に世界への興味を抱かせてくれた「兼高かおる世界の旅」の放送は1959年から1990年なんですね。なんて早い時代からなんでしょう!
P.S.2
「世界の料理ショー」に北欧料理は無いかと探してみたらデンマーク料理がありました。

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