絵本『わたしの糸』~慈しみ育て未来へつなげるという事~

友人であり、ノルウェー語講師の青木順子さんが翻訳した絵本『わたしの糸』が届きました。

作者はノルウェーのアニメーション監督であり、イラストレーターのトーリル・コーヴェさん。アニメーションとして発表され、第17回広島国際アニメーションフェスティバル優秀賞受賞作となった『Threads」の絵本化です。

Threads , Torill Kove, provided by the National Film Board of Canada

テーマは親の愛。一人の女性がつかんだ糸の先には小さな女の子。彼女はその子を温め、食事をさせ、社会へと導きます。やがて、その子は彼女の手を離れ、自立し、自らの手で自分の糸をつかみに歩んでいくまでのお話。

私に子どもはいませんが、特にそれについて考えたことはありませんでした。 友人たちの子どもが小さい時には、何を聞いても何とも思わなかったのに、実は、近頃その子たちが成長し、希望の学部に進学した、こういう将来の夢を持っているらしい、と話を聞くと胸の奥がきゅんとなるようになりました。この痛みは、この先に大して変化などないだろうと思っている私に比べ、何が起こるか分からない未知の希望を子どもと共有していることに対する羨ましさ。

この絵本を読んで真っ先に思い浮かんだのが、デンマークの友人パウリーナ。フィンランド人の彼女はデンマーク人と結婚し、デンマーク在住。結婚10年以上経ってからでしょうか、子供のいない二人は中国から女の子を養子に迎えます。森で見つかった黒髪の女の子は、まるで貧困のため実の親に手放された娘マイちゃん。

パウリーナがつかんだ糸は彼女に海を越えさせ異国で暮らさせ、マイちゃんに出会えさせました。夫妻はマイちゃんを育て、教育を与え、趣味の乗馬を応援し、今年彼女は14歳になりました。もう、あと5年もすれば身に着けたスキルを持って、親元を離れていくのでしょう。

人を育て、次の世代へとバトンを渡していくのは、何も実の親子に限ったことではなく、もっと言えば親子に限った話ではないのかも。私もいままでやったことで、誰かにバトンを渡すことが出来ていればいいなと、この絵本を読んで感じました。

絵本『わたしの糸』刊行記念として翻訳者の青木順子さんによるトークショーが下記の内容で開催されます。当日はトーリル・コーヴェさんが物語を通して伝えたかったことなど、創作裏話をされるそう。

●日時:10/10(木)18:30~20:00(開場18:15)
●場所:ひるねこBOOKS 〈台東区谷中2-1-14-101〉
● 参加費:1,500円(当日お支払い)

詳細については下記リンク先をご覧ください。
ノルウェー絵本『わたしの糸』刊行記念トークショー

本は下記リンク先からお求めいただけます。

自分のこと、他人のこと、様々な縁について思いを馳せる物語です。贈り物にもいいかも知れません。

ミタ

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