邸宅に咲いた小さな花

以前、アイルランド人の知人が「友達のお嬢さんがマナーハウス・スクールを卒業してね」というので「それって何ですか?」と尋ねると、「勉強だけでなく行儀作法も教えてくれる学校」なのだと。
それで早とちりをしてしまって「なるほど!マナーズを教えてくれるから”マナーハウス”なのですね!」と答えると「そのmannerと、このmanorは違うのよ。」と訂正されてしまいました。
後で調べるとmanor houseとは、イギリス貴族が荘園に建てた邸宅のことで、現在それらの中にはその建物を利用し、前出の学校だけでなく、宿泊施設、レストランなどに改装したり、一般に見学開放されているものもあるのだそうです。
先ほどの”Manor House School”とは単にそういった学校のひとつの学校名でした。

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さて、そんな昔の話を思い出したのは、このエステリ・トムラがデザインしたArabiaのKartanoティーカップのせい。
Kartanoという意味をフィンランド語-英語辞書で調べると”manor(荘園)”とあったからです。
このカップが作られたのは1973年。この年アラビアは創立100周年を向かえ、エステリ・トムラは、その100周年用の記念食器もデザインしています。
同じ年には100周年シリーズとよく似たGardenia、そしてVanomo、Aurinkoもデザイン。それらのデコレートがどちらかというと華やかなのに比べ、このKartanoはとてもシンプルです。
単純なストライプとドットだけで小花模様が装飾され、色もモノトーン。まるでここだけ別の、静かな時間が流れているようです。
このカップで紅茶を飲むとゆったりとした気分がして、貴族のお屋敷でお茶を楽しむ雰囲気が味わえるかも知れません。
ところでマナーハウスには、びっくりするくらい広く美しいお庭があるそうです。調べてみると、フィンランドにも一般公開されているKartanoがあるそうなので、いつか行ってみたいですね。
ここのサイトからフィンランドのマナーハウスが検索できますよ。
ミタ

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