スウェーデン映画『ロッタちゃん』が2Kリマスターで帰って来た!

2000年に日本で初公開され、大ヒットとなったスウェーデンのロッタちゃんシリーズの『ロッタちゃん はじめてのおつかい』と『ロッタちゃんと赤いじてんしゃ』がこの春2Kリマスター版として帰ってきます。初めて観たときの記憶が鮮明なのであれから24年も経っているなんて驚きです。ということは、今の20代、30代の方は知らないのか?

原作は『長くつしたのピッピ』や『山賊のむすめローニャ』など多くの児童文学を残したアストリッド・リンドグレーン。以前このブログで彼女の半生を描いた映画『リンドグレーン』を紹介したことがあります。

24年前はまさか自分がスウェーデンに関わるとは夢にも思わず、それどころかスウェーデンってどこにあるんだろうくらいでしたが、がっつりとスウェーデンに関わっている今はどう感じるのかなと思いながら試写を拝見しました

映画『リンドグレーン』をご覧になった方ならより分かると思いますが、いわゆる「いい子」ではなかったリンドグレーンの描く子供たちは(処女作のピッピに見られるように)大人が思ういい子たちではありません。ロッタちゃんに至っては思い通りにならなかったら怒って癇癪を起すのがいつものこと(お隣のベルイさんは金切声を聞いて、またお腹が痛いのかしら、なんて言っています)。一見わがままな子です。

ただ、そんなロッタちゃんを大人たちは叱ったり怒鳴ったりして思い通りにさせようとはしません。ロッタちゃんにはこうして欲しいとか、こう思っていると伝え、あとはロッタちゃんの自主性に任せるようにしています。それどころか困っていても必要以上に手を出して手伝う事もしません。そういう環境で育ったためかロッタちゃんは自立心が強い5歳。自分で考えて行動でき、自ら言うように本当に何でもできちゃうのです。病気で寝ているベルイさんの家事なんて(5歳にしては)完璧!そう、キャッチコピー通りかわいいだけではないのです。

ロッタちゃんは昔話にありがちな自己主張の強い子が最後に痛い目にあって反省する、なんていうストーリーではありません。大人たちはロッタちゃんの自我を尊重し、その中でロッタちゃんは学び成長していく物語。

以前北欧の絵本は子供の自立心を育てる内容が多いと聞いた事があります(それが日本語に訳されるとその要素が消されてしまう場合があるとも)。そういう点ではもしかしたら北欧が理想とする子供の物語なのかも知れません。

24年前の日本での大ヒットの要因の一つには、当時の女性たちが「こうありたい自分」をロッタちゃんに重ねていたのかもと考えるのは、うがちすぎでしょうか。平成とはいえまだまだ昭和の影響強く、女性が自己主張や自立心を発揮することに眉を顰める人も多かった時代。となると令和の今の人たちが観るとどういった感想を持つのか楽しみですし、もしかしたら平成の時よりも現状にフィットして共感してもらえるのかもと思います。

さて、スウェーデンにそこそこ関わっている今は、24年前と違い細部に目が行ってしまいました。あれはグスタフスベリのカップだなとか、あのキッチンは50年代の流行なのよねとか、そうそう季節ごとにテキスタイルを変えるのは友達もやっているわとか。

試写で見た『ロッタちゃん はじめてのおつかい』は8月の夏が終わるころに始まり、12月のクリスマスを挟んで、3月のイースターまでの半年ちょっとの話です。季節ごとの描写があり、遅くまで明るい夏の夜、クリスマス3日前にツリーを買う話(枯れるからクリスマス直前に用意するのだと友人に聞きました)、イースターには魔女の扮装と土曜日のお菓子、今の仕事を通じて友人たちに聞いたり自分で経験したエピソードが出てくるのが嬉しい。クリスマス前にはお母さんが大量のルッセカットを焼いていて(ロッタちゃんが指でつつきまくっているのが気になる)、お隣のベルイさんに持って行くように頼んだのはクリスマスの甘いパン「リンッパ(字幕ではパン)」だなと分かるのも楽しい。

24年前と同じように印象に残るのは、映像全体の色の組み合わせの綺麗さ。特にあちこちに使われている赤と、それを生かす水色の組み合わせが何とも北欧っぽく可愛らしいです。全てが丸く収まって観終わると心がポカポカと温かくなるような物語。ちょっと疲れている時に観るのもいいかも知れません。

劇場や公開日など詳細は下記の公式サイトからご確認下さい。

映画『ロッタちゃん』公式サイト

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