邂逅ムーミン(後編)

さて、中断していたムーミンのシールについての続きです。ご紹介したいイベントが続いていますので、ちゃっちゃと買い付けレポートを進めないと間に合いませんね。
というわけで、うららかな土曜日、エーロさんのムーミンのシールを受け取りにヘルシンキにあるアアルト大学へ向かいました。
ムーミンのシールって何?エーロさんって誰?とお思いの方は、下記リンク先の前回までのお話しをお読みください。
邂逅ムーミン(前編)
これはアアルト大学のシンボル的な建築。アルヴァ・アアルト設計の大講堂です。実はこの裏側から見た形が有名らしいのですが、前知識が無かったため、こちら側の写真しかありません。しかも、土曜日のため休館で中にも入れず。不甲斐なくて、申し訳ない。
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アアルト大学には校門や塀のようなものが見当たらないので、どこからどこまでが大学の敷地か分かりませんが、とにかく広大と言うのは分かります。指定されたエーロさんの息子さんが住むという寮に向かう途中にはスーパーマーケットや幼稚園まであり、寮の棟も何棟もが並んでいる様子は、ちょっとした町のようでした。
無事会えるかどうか、少し不安でしたが、指定された寮の場所に向かっていると、向こうからダンガリーシャツにチノクロスパンツというパリッとした服装の金髪の青年が、大きな箱を抱えながらやってきました。案の定その青年がエーロさんの息子さん。もっと学生らしいカジュアルな服装を想像していたので、意外と言えば意外。「ありがとう」とお礼を言い、アアルト大学の日本人留学生についてなど、少し雑談をして別れました。
そんな不思議な縁でやってきたムーミンシールを開梱すると、きちんと額装されていた感激しました。大きな額と一緒に、小さな額も入っていましたので、こちらはお店に飾りますね。
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エーロさんに無事受け取った報告ついでに、息子さんが時間通り来てくれて助かったと伝えると「彼は秒刻みの軍隊生活から戻ったばかりだからね」と茶目っ気のある返事(フィンランドの男性には徴兵義務があります)。そして、それまでずっと疑問だった、何故フクヤに連絡を取ったのかを伺うと「私の町、カヤーニに住んでいる日本人のマユミに教えてもらったんだよ」。
マユミ…?知り合いに心当たりが無く、誰だろうと記憶を探り、カヤーニでハッと思い出しました。
フクヤがTwitterを始めた5年ほど前からフォローして下さっている、カヤーニ在住のアーティスト、Niiranen Mayumi(ニーラネン真由実)さんに違いない!
ニーラネンさんの絵はTwitterを通して時々見ていました。一見すると詩のような美しい色彩の重なりで描かれた絵は、良く見ると少しの毒を含み、ぬるりとした触感を感じさせ、五感に訴えてくる力があります。Twitterからは海外でアーティストとして活動する苦労が垣間見られ、本当は書かれている以上に大変な体験をされているのだろうと想像しつつ、遠縁の娘さんを見るような思いで密かに応援していたところ、今年(2015年)嬉しいニュースが目に入りました。
真由美さんの絵がフィンランドの切手に選ばれたそうです。切手のデザインはフィンランドの芸術家協会150年を記念し公募されたもので、応募数131点から選ばれた6点のうちの一つが真由美さんの絵でした。
こちらは、その絵画が切手になったところ。写真は真由美さんの許可を頂いて、彼女のサイトからお借りしました。
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真由美さんの作品について、もっと知りたい方は下記リンク先をご覧ください。
●Mayumi Niiranen-Hisatomi
真由美さんに伺うと、エーロさんから突然連絡があり日本のお店を紹介してくれと頼まれ、思い浮かんだのがフクヤだったとか。「彼があげたいと思った人に大事なものが渡ってよかったです」「本当に人って時々不思議なもんですね」と彼女からメッセージを頂きました。本当に人って時々不思議です。でも、面白い。
『邂逅』ってこういうことを言うのかな。
ミタ
追記:
フィンランド在住のセルボ貴子さんからもエーロさんから連絡があったと伺いました。セルボ貴子さんはフィンランドのポリで、通訳、執筆、ビジネスコンサルティングなどフィンランドと日本をつなぐ会社「和コネクション」を立ち上げ、活動されています。Twitterを拝見し、長年積み重ねた実績と活躍ぶりに舌を巻き、目まぐるしい日常を嘆いたぼやきのようなツイートに親しみを感じたりしています。

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