アラビア食器、魅力のハンドペイント

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おはようございます。今日は東京は冷たい雨が降っています。
さて、写真のカップたちは全てフィンランド、アラビア社のSモデルにハンドペイントで絵付けを施したものです。
左からRuija(ルイーヤ)Anemone(アネモネ)Rosmarin(ロスマリン)Koralli(コラーッリ)

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元になっているSモデルのフォルムは1961年、耐熱性のRuska(ルスカ)シリーズの為にUlla Prokopé(ウッラ・プロコペ)がデザインしました。

プロコペはフィンランドデザインの黄金時代を築いた一人で、このルスカシリーズは1999年まで続くアラビアのヒット作となり世界各国に輸出もされ、また30以上のアイテムが作られました。
同じSモデルに青い花を施したAnemone(1961年-1976年 1980年代に再生産あり)と、茶の花のRosmarin(1961年-1974年)はプロコペ自身のデコレートデザインです。
写真手前のRuija(1975年-1981年)とKoralli(1983年-1987年)は前出の2シリーズに似ていますが、デコレートデザインはプロコペの2歳下で、ほぼ同時期にアラビアに所属していたデザイナー、Raija Uosikkinen(ライヤ・ウオシッキネン)によるものです。
プロコペは1968年、40代の若さで突然亡くなったので、RuijaとKoralliが出された時には既に存命ではありませんでした。
プロコペが亡くなった後もこのSモデルには、RuijaとKoralliだけでなく様々なデコレーションが施されたシリーズが発表されています。けれどもハンドペイントによる、このような大柄のものは、ピンクのKoralliが最後だったと思います(他はラインのみ)。
デザインをしたウオシッキネンは63歳になる1986年にアラビアを退社していますので、ウオシッキネンとしてもアラビアにおける最晩年の作品でしょう。
もともと優しい絵を描くウオシッキネンですが、Koralliは益々優しく、花にはふっくらとしたおおらかさがあり、融けてしまいそうな色合いはミルクチョコレートを思わせます。この優しさは早世した同僚、プロコペへの最後のはなむけのようにも思えてきます。

ミタ

ちなみにProkopéのフルネームはUlrika Elenora Matilda Prokopéと大変長いものです。この外国風の名前は何か由緒ある家の出なのかな?と思って調べてみましたが、良く分りませんでした。
ちなみに、同じく外国風の名前を持つデザイナー、Dorrit von Fieandt
は、ドイツに祖先を持つフィンランドの名門一家です。

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