赤と緑


学校を卒業して最初に就いたのがウィンドウディスプレイの仕事でした。と言っても、自分でディスプレイをするわけではなく、ショップから予算やイメージを頂き、デザイナーにつなげる仕事です。
あるときショップの方が「クリスマスの予算がこれだけしかないのだけれど、何とかできますか?」と例年の半分くらいの予算を持ってこられました。時はバブル崩壊後。クリスマスのような一大イベントすら、ディスプレイのような効果の分かりにくい部分からどんどん予算が削られていたようです。
新入社員の私は困り果てて、デザイナーさんに予算が充分でないことを正直に告げると、ベテランのその方は「大丈夫。クリスマスなんて赤と緑を使えば何とかなるんだから」と胸を叩いてくれました。
結果は、赤と緑の布と赤と緑のラッピングペーパーで包んだボックスだけでクリスマスの見事なディスプレイが出来上がったのです。もう、本当にどこから見てもクリスマスにしか見えない。
ツリーやリース、豪華なオーナメントやイルミネーション、金銀の星やサンタの人形、凝ったオブジェなんて必要ないんだ・・・。
色のマジックを実感した瞬間でした。
その言葉を思い出しながら、フクヤ風クリスマスのテーブルを作ってみました。
クリスマスに合わせて、スウェーデンのクリスマス柄のビンテージクロス、アラビアとグスタフスベリのクリスマスプレート、フェルトオーナメントを今週アップ予定です。
お楽しみに。

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