赤と黒

「嗜好色」という言葉をお聞きになったことはありますか?
緯度の高い低いによって好まれる色に地域性がある、と言う話を以前に書きましたが、嗜好色とはこういった、年齢、性別や生活環境によって好まれる色の違いのことを指します。
嗜好色の年齢別傾向を見ると、若い世代には「赤」と「黒」が特に好まれるとのこと。
心理的に言えば赤は「私を見て」という”自己主張”の色、黒は「私に干渉しないで」と言う”拒否”の色だそうで、なるほどそうかもと思う反面、あまりにも出来すぎている話に、本当かなとも疑ったりもしています。
それでも街中で赤と黒の組み合わせの洋服や、小物を身につけている学生さんなんかを見かけると、「おや、この子は青春の葛藤真っ盛りか」とちょっと面白がったりしているのですが。

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さて、こちらも正に赤と黒の組み合わせ、Rorstrandの”Red Top”です。
デザインはMon AmieシリーズなどでおなじみのMarianne Westman。1956年から1967年まで生産されていた人気の商品です。
奥にあるのはコーヒーカップ、手前にあるケースはバターケースで、ほぼ正方形に近い形をしています。
アンティークショップの説明によると、バターには柔らかい料理用のものと硬いパン用のものが有って、正方形に近いこちらのケースは料理用バターのケースだそう。

そうは言ってもよく分らないので、バターの種類については次回スウェーデンに行ったときスーパーで確認してきますね。

さて、このシリーズですが冒頭に書いたとおり、若者の嗜好色、赤と黒の組み合わせです。
20代をはるかに超えてしまった私にとって、赤と黒は力が強すぎて疲れる組み合わせなのですが、このRed Topに関してはまったくそんな印象を持ちませんでした。むしろ逆に大人の落ち着きさえ感じるのです。
それはおそらく、赤が深い赤紫に近いような色合いであること。そして黒いダイヤ柄を面でなく、ラインで表現しているため、そこに微妙な陰影が生まれデザインに奥行きを持たせていること。

この二つの要素がともすれば、安易にみえたり、あるいは強烈になりがちな二色の組み合わせに逆に高級感を与えています。
それにしても、一個一個のダイヤを細い筆を使い、ラインで描いていることを見ていると、一見簡単そうな柄なのですが、実は手の凝んでいることに感心します。

“若者”と呼ばれる歳を超えてしまった今でも、心の中の”矛盾”や”葛藤”とはなかなか縁が切れないものですが、それもこんな風に大人の味に昇華したいものですね。
ミタ

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