どの展覧会の賞なのか?

※このブログは約5年前の2010年11月22日に書きかけ、非公開のまますっかり忘れていたものです。ブログの移行に伴い過去記事を整理していたら出てきました。アラビアで70年代に生産されたFaenza(ファエンツァ)について、調べたものです。ですので、書き出しの「昨日」とは2010年11月21日のことです。


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昨日のブログでInkeri Leivoさんの早すぎる死去について書きましたが、実はこの写真のモデルについて調べていたときに思いがけず出会った記事でした。

写真のArabia Krokus、Arabia Kirsikka、そしてArabia Faenzaシリーズは、同じEHモデルに別の装飾を施したものです。中でも小花を全体に散りばめたパターンはFaenzaと呼ばれ、デザインは、昨日訃報をお知らせしたInkeri Leivoによるものです。

EHモデルのフォルムはPeter Winquistによるデザインで、1971年にイタリア、ファエンツァの展覧会で金賞を受賞したことからシリーズ名に使われた、という有名なエピソードがあります。

さて、そのファエンツァの展覧会ですが、多くの日本のショップでは”ファエンツァ国際陶芸展”と書かれていて、私も疑いもせず、そうなのかと思っていました。ファエンツァ国際陶芸展とは良く知られた国際展覧会で、そこで受賞することは陶芸家にとって大変な栄冠だそうです。

さすがに有名な展覧会ですね、ホームページには第1回からの受賞者とその作品が全て見られるようになっていました。
“Premio Faenza” – Roll of Honour
で、期待と共に1971年の受賞者の名前を見ると、PANOS TSOLAKOS

・・・・・え?

よくよく受賞作品を見ると、どこから見てもどれもこれもがアート作品で、実用的な食器など並んでいません。

・・・・おかしい。

改めてアラビア社のホームページを確認すると、フィンランド語で”1971 Italiassa Faenzan kuuluisan keramiikkabiennaalin teollisuuskeramiikan sarjassa kultamitalin.”と書かれていました。たいへん忸怩たるものがあるのですが、私はフィンランド語が分からないので、英語自動翻訳をかけると”1971 Faenza, Italy, the famous biennial of industrial ceramics, ceramics for the gold medal in the series.”

つまり、1971年にイタリア、ファエンツァのたいへん有名な(隔年開催の)工業展で金賞を受賞した、とあります。

更に、Peter Winquistのスウェーデン語のプロフィールを見ると、”Guldmedalj i Faenza, industridesign 1971.(1971年ファエンツァで金賞、工業デザイン)”とあるだけです。

ちょっと、ここらへんで調査をしてみると、1971年にイギリスで刊行されたデザイン誌を見つけることができました。

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Design Journal 1971年1月号

分かりづらいのですが、左端にちーっちゃくEHモデルが紹介されているのがお分かりでしょうか?
記事によると、”Peter WinquistによるアラビアのEHモデルは、今年(1971年)第29回「competition of artistic ceramics at Faenza」で工業デザインにおいて金賞を受賞。1973年より製造を開始する”とありました。

では、ファエンツァ国際陶芸展にはアート部門と別に工業部門があるのかも知れないと調べてみましたところ、日本人の森正洋氏のプロフィールに”1975年 < P型コーヒーセット > で ファエンツア国際陶芸展インダストリアル部門金賞受賞”とありました。

ところが、当の


このブログはここで終わっていました。いったいこの後、どう続けるつもりだったのか、結論は何だったのか、今となってはさっぱり思い出せません。自分で書いておきながら、ものすごく気になる終わり方です。

未完成記事ですが、当時のEHモデル(のちのFaenza/ファエンツァ)がイギリス誌の記事に取り上げられた面白い情報があるので、あえてアップしました。

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