フクヤはFacebookで北欧ビンテージの情報交換グループ『北欧ビンテージが好き』を運営しています。非公開で承認制ながら、会員数は現在767人。ほぼ毎日何かしらの投稿があり、会員同士のやり取りも徐々に増えてきていい感じになってきましたので、最近は少し前に出るのを控えながら運営しています。
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北欧ヴィンテージが好き
なぜ、この話から始まったかというと、先日このグループでシェアしようと、熊本市現代美術館で開催されていたムーミン展のサイトに行くと、期間限定で館内レストランで提供されている北欧メニューに『ヘルッポマルヤピーラッカ』があると書いてあり相当驚きました。
ヘルッポマルヤピーラッカはフィンランド語で「簡単ベリーケーキ」の意味で、ヘルッポが簡単、マルヤがベリー、ピーラッカがお菓子のこと。去年の4月に姉妹サイトの『北欧のおやつとごはん』でご紹介したお菓子です。自信を持って言うのですが、今の時点で日本中でヘルッポマルヤピーラッカなんてカタカナで書いているのは私しかいないので、熊本市現代美術館さんは北欧のおやつとごはんを見て下さったのではないかしら。そうだとしたら嬉しいな。
なんて、思いながらヘルッポマルヤピーラッカを作りました。ちょうどベリー柄のアラビアのシリーズMarjatta(マルヤッタ)が入っていたのでそれと合わせて。
Marjatta(マルヤッタ)はフィンランドの女性の名前でMarja(マルヤ/ベリー)から来ています。アラビアはシリーズに女性の名前を付けることが多いのですが、マルヤッタもその一つ。マルヤッタはフィンランドの国民的抒情詩「カレワラ」の最後の第50章に登場する女性の名前でもあります。物語の中でマルヤッタはリンゴンベリーの実を食べて処女懐妊します。出産するためのサウナを探すのですが未婚の彼女に場所を提供してくれる人は無く、仕方なく馬小屋で息子を出産します。未婚の母から生まれた息子は罪を犯していると殺されかかるのですが、助かり、後に王になるという話です。
これ、どこかで聞いたことありますよね。この最後の物語は聖母マリアとイエスキリストの話をベースにし、フィンランドの土着信仰が終わり、キリスト教に変わっていく様を表しているそうです。アラビアのカレワラシリーズでは1993年のプレートで描かれています(ただいま在庫切れ)。
それほどに古い名前ですが、マルヤッタはフィンランドでは8月15日の名前の日に制定されているので、今も人気のある名前なのかも知れません(フィンランドの名前の日は定期的に見直されて、古くあまり使われなくなった名前は削除されるとか)。
さて、食器に話を戻すと、マルヤッタに描かれているベリーは何なのでしょうか。リンゴンベリーには見えませんね。
ちょっと分からないのですが、同じくアラビアのHilla(ヒッラ)に表現が良く似ています。
Hilla(ヒッラ)とはフィンランド語でクラウドベリーのことです。となると、マルヤッタのベリーはクラウドベリーなのかな。
とはいえ、ヒッラだって数年前まではKäpy(松かさ)と呼ばれていたんですよね。いつの間にかベリーになっていた。本当にクラウドベリーを描いたものなのかどうなのか。さてさて、答えは風に吹かれている。
マルヤッタとヒッラは1月21日に新着としてアップします。お楽しみに。ではでは。
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