アイスランド映画『好きにならずにいられない』愛が踏み出させた第一歩

2016年6月日本公開のアイスランド映画『好きにならずにいられない』の試写に行きました。「第12回ノルディック映画賞」を受賞した2015年北欧映画No.1 の作品です。
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誰かがいい映画の基準とは、もうストーリーはどうでもいいから主役に幸せになって欲しいと思えること、と書いているのを読んだことがあります。そういう意味では、このアイスランド映画『好きにならずにいられない』は始まりから終わりまで、主役のフーシにどうしても幸せになって欲しく、フーシに巻き起こる出来事に観ている側も気持ちが上ったり下りたりと、終始やきもきしっぱなし。
アイスランドのレイキャビックで空港の荷物係をしながら、母親と二人暮らしをしている43歳のフーシ。体重200キロの大男ながら、シャイで、おとなしく、頼まれごとを断れない心優しい人柄。職場の同僚にからかわれても言い返さずに耐えているうちにヒートアップされイジメになることもあれば、階下に住む女の子の頼みを聞いてドライブに連れ出せば幼女誘拐を間違われたりと、その性格と外見から惨めな思いをすることもしばしば。
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女性と付き合った事もなく、楽しみと言えば毎日終業後にラジオにリクエストしたヘビメタを一人車の中で聞くこと、毎週金曜日にタイ料理店でバッタイを注文すること。休みの日は第2次世界大戦のミニチュアゲーム作りをし、同じ趣味の男友達と戦争シュミレーション遊び。有給も消化せず、ただただ同じことの繰り返し。
そんな彼を心配して母親のボーイフレンドが、女性と知り合うきっかけになればと、誕生日プレゼントにくれたダンス教室のクーポンが彼の人生をささやかに、でもフーシにしては大きく変えていきます。
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ダンス教室で知り合ったシェブンに恋をしたフーシ。明るく陽気だと思ったシェブンは、実は心の病に苦しんでいました。それを知ったフーシが彼女を立ち直らせるために初めて積極的に行動を起こしていきます。彼女のためにフーシが行う数々は、恋人というよりも、まるで母親が子供に与えるような献身的な愛。
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2人の関係は進んだと思えば後退し、後退したと思えば進む。単調なルーティン生活から、愛する彼女を変えるために自ら考え、行動することが、大人しく受け身だったフーシそのものも徐々に変えていきます。
エンディングには希望があり、ああフーシ良かったね、と思えるものでした。愛されたい人にも、愛したい人にもお勧めの、心がじわじわと温かくなる映画です。

2016年6月より全国ロードショー。上映館など詳細は下記リンク先でご確認ください。
『好きにならずにいられない』公式ホームページ
ミタ

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