スパイスと一緒に来た更紗

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今日から11月。すっかり日本も寒くなり、11月の声を聞くと、そろそろクリスマスの準備をしなけりゃと思い出します。
クリスマスカードは年賀状と違って、12月25日よりも前、遅くても2週間前には届いていなければいけません。欧米では12月になるとカードの配達が集中して、自然と配達が遅れるので、海外にカードを送るなら11月には送った方が確実です。
毎年毎年、そんなことを思いながら、まだ間に合うともたもたしているうちに、気が付けば12月も半ばをとっくに過ぎていて、慌ててカードに新年の挨拶も書き入れながら、日本人は新年にカードを送る習慣があるのと言い訳するのが例年の事となってしまっています。まったく、我ながら学習能力の低さに困ったものです。
さて、クリスマスが来れば、欧米はスパイスの香りで満たされます。
ジンジャー、ナツメグ、シナモン、クローブ、カルダモン。お菓子にパンに肉料理に、そしてクリスマスのスパイス入りのホットワイン。遠く、インドからヨーロッパに海を渡って運ばれる香辛料は、昔は大変高価でクリスマスだけのご馳走だったのでしょうね。
もちろん北欧も例外ではなく、スパイスたっぷりのジンジャーブレッドは北欧の移民が北米に伝えたものとか。北欧のジンジャーブレッドは北米のものと違って、薄いのが特徴。ノルウェーのヒルデさんにレシピを分けてもらったので、今年は北欧風に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ヒルデのノルウェー風ジンジャーブレッドクッキー
16世紀、スペイン、ポルトガルの大型帆船ガリオンがインドの貿易港キャリカットからヨーロッパに持ち帰ったのは、スパイスばかりではありませんでした。
インド更紗(キャリコ)です。英語ではチンツといいます。
日本ではキャラコと名前を変えたものは、足袋などを作るしっかりとした木綿の布の名称となり、キャリコ(更紗)というと東洋風の装飾的な植物や鳥をプリントした木綿の布を指します。元々は同じ言葉なのに、面白いですね。
インド伝統のエキゾチックな柄と美しい色合いの布はヨーロッパで大変な人気となり、やがてヨーロッパ人好みにアレンジしたパターンのものなどがフランスやイギリスでも作られるようになったとか。
ガリオン、更紗(さらさ)、キャリコ・・・。
どの言葉も響きが美しくなんともロマンチックな雰囲気がします。
写真に使っているコーヒーカップは、スウェーデンGustavsberg(グスタフスベリ)社製のビンテージ。名前は”Kattun”です。
Gustavsberg Kattun
Kattunはスウェーデン語で更紗のことです。
なるほど、カップとソーサーをとりまく柄はどこかオリエンタルな植物柄ですね。使っている色は1色ですが、点で表現することで微妙な色の濃淡を上手に表現していて、厚みすら感じる仕上がりです。かすれたような表現も木綿の布の質感を感じます。
何より素敵なのは、その有機的な植物の表現です。上へ下へ斜めへと重力を無視したように花や茎が伸び、踊るようなデザインは生き生きと陽気ですが、色合いが落ち着いているのでぐっと収縮するような雰囲気もあり、外へ伸びようとする力と内へ縮もうとする力関係が絶妙なバランスを取っています。
フォルムデザインはグスタフスベリを代表するデザイナー、Stig Lindberg(スティグ・リンドベリ)。デコレートデザインは不明です。香辛料色のコーヒーカップ、北欧風にカルダモンを入れたカルダモンコーヒーでも淹れてみてはいかがでしょうか。
ミタ

千葉県のSさまからコーヒー白樺のお写真と感想をいただきました。紅茶派のSさまもゴクゴク飲めたそうです。しかもシナモンロールも焼いてくださって♪お口にあって良かったです。
コーヒー白樺はこちらからどうぞ。→coffee白樺

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