おんなじだけど、ちがうもの


もう2月11日。気が付けば、世間はバレンタイン、バレンタインと五月蝿いですね。いや、別に怒っているわけではないですよ。
結婚してからは、毎年バレンタインにはチョコレートケーキを焼くのが恒例なのですが、独身のときは特に何もしたことが無いです。なんていうか、若くて、いろんな事が恥ずかしかったのですよね。
ですので、バレンタインに頑張れる素直な心が、むしろうらやましい。きっといいことあるよ、と応援したくなります。
年をとって良かったことは、いろんな事が恥ずかしくなくなってきたこと。
人はそれを「おばさん」と呼ぶのかもしれないが。
でもいいんです。自分が楽しければ。
いや、これではますますおばさん的発想か。
でもいいんです。人に迷惑をかけなければ。
(しつこい。)
で、昔は恥ずかしくて出来なかったけれど、今やりたいことは「おそろい」。といっても、全く同じではなく、ちょっと外したおそろいです。
例えば、写真のデミタスカップ。違うものに見えますが、実はフォルムは全く同じです。このフォルムはNDモデルという名前で、もともとはアラビアの代表的なデザイナー、ウラ・プロコペが1960年代にスペインの陶磁器から発想を得、バレンシアシリーズのためにデザインをしたものです。
左のコバルトブルーのカップが、そのValenciaです。このデザインは、根強い支持を得て、その後2002年まで40年に渡って作られました。
そして、このバレンシアシリーズとは別に、その長い年月には同じフォルムを利用して、さまざまなデコレートを施されたものが、時代時代の要望に答えて作られては消えていきました。
例えば、1975年にはそのバレンシアのモデルに、エステリ・トムラが蓮の花を独特なタッチでデコレートを施したものあります。それが、手前の茶色のカップ、Katrilliです。バレンシアが南欧風で深いブルーが落ち着いた大人の雰囲気なのに比べると、カトリーリはアジア的で、浮遊感のある軽い印象があります。
同じフォルムでも、デコレートの違いでずいぶんとイメージが違ってきますね。
どこか似ている、でもちょっと違う。大人の二人にこんなお揃いはいかがでしょうか。
ミタ

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