おはようございます。
週末にスウェーデンから入荷した品を洗っているうちに、こんな時間になりました。
今回は久々に写真のRod AsterとBla Asterが入荷です。デザインはStig Linberg。1970年代にGustavsbergから発売されました。
赤、あるいは青だけで作られたデザインは潔く、力強くもあります。こういった色面での明快なデザインは、リンドベリに限らず同じ時期に作られた食器、たとえばアラビアのIsokukkaや、フィッギオのSagaや、Turi-Design、ロールストランドでは(手彩色が多いのであまり無いのですが)Siljaなどがあり、おそらく時代的な好みの背景もあるのでしょう。
ただ、このAsterが他と違うのは、そのきっぱりとした清清しさにある気がします。Esteri Tomulaの作品のように白に残した面と色の面の対比を出すわけでもなく、Turi-Designのように微妙な中間色の多色使いでニュアンスを出すわけでもない。
リンドベリの作品集に書かれた彼の人となりは、かなり神経質で気まぐれ、話し好きで周りの人を振り回すような芸術家肌の人だったよう。
その描写だけを読むと、繊細さばかりが印象に残りますが、その肉太なラインと思い切りの良い色の使い方は、やはり男性の手によるものなのだなあ、と感心します。
学生時代に先生が「男性の作品と比べてあせることは無いのですよ。女性には女性にしかできない表現があるのだから。」と言われたことがあります。なるほど、女性と男性は違うかもしれない。それなら、その差をお互いに補うような関係が、パートナーと結べれば理想的ですね。
まるで男女のペアカップのようなAsterシリーズ。単品であるより二つ揃えたほうが素敵です。
同じリンドベリの作品集を読むと、結婚後すぐに車椅子の生活になった妻のために、リンドベリはお昼に必ず帰宅し彼女と食事を共にし、子供の学校のお迎えに行く生活だったそう。厳しい現実の中で、妻に対する愛情は終生変わらなかったのでしょうね。
リンドベリには同じく赤と青でつくられたAdamとEvaがあり、この二つは地と図を反転したデザインで、合わせると完結されるイメージです。
ヨーロッパの方が夫婦のことを「チーム」と言うのを聞いたことがあります。「僕たちはチームなんだ」と。カップルがいかにあるべきか、お互いに補い合うとはどういうことか。リンドベリは作品を通して教えてくれているのかもしれません。