あたたかい色のティーポット

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おはようございます。
久しぶりにアラビアRuija(ルイーヤ)のティーポットが入荷しました。厚めの素地ですので、保温性があり、これからの季節にぴったりです。1.2リットルとたっぷり入るのも、かなり嬉しい。なにせ、紅茶中毒の我が家では、この季節毎朝1リットルお茶を入れても足りないくらいですから。
フォルムデザインは、1960年にUlla Procope(ウッラ・プロコペ)がルスカシリーズのための作ったSモデルです。このルスカシリーズのコーヒーカップは、アラビア史上一番売れたアイテムだそうです。
Sモデルには様々なデコレートがなされていますので、同じ型で柄違いを揃えてみるのも楽しいかもしれません。
さて、このRuijaシリーズは1975年から1981年まで作られました。実はモデルデザインをしたプロコペは1968年、40代の若さで突然亡くなっています。つまり、このシリーズが出された当時は既にこの世にはいなかったのですね。
Ruijaのデコレートデザインを施したのは、アラビアの人気デコレーターの一人、Raija Uosikkinen(ライヤ・ウオシッキネン)です。
プロコペは1921年生まれで、1948年からアラビアに所属、ウオシッキネンは1923年生まれで、1947年からアラビアに所属しているので、この2人は、ほぼ同世代であり、同時期にアラビアでキャリアをスタートしています。
おなじSモデルでは、RosmarinやAnemoneはプロコペ本人よるデコレート。太い筆にたっぷりと顔料を含ませ描いた、柔らかくあたたかい雰囲気は、Ruijaに共通するものがあります。
ところで、Ruijaのデザインが15年近い年月の隔たりを感じさせないほど、プロコペ自身の過去のものにとても雰囲気が似ていることには驚かされます。特に、同じ年に同じSモデルを使ってウオシッキネンがデザインしたOtsoシリーズが、いかにも70年代風なのを見ると。
もちろん、彼女も企業の一員ですから、アラビア社からの要求があってのデザインだったのかも知れません。それでも、このデコレートを考えているときに、早くに亡くなった同僚が作った過去の作品を思い出さずにはいられなかったでしょう。
RuijaがRosmarinとAnemoneと異なっているのは、素地が白からベージュ色となっているところです。ほのかな温かさを感じるその色合いは、なんとなくウオシッキネンの思い出の優しさも感じるのです。
ミタ
..
最近入手したフィンランドのデザインミュージアムの資料でRosmarin、Anemone、OtsoのデコレートがRaija Uosikkinenと知りました。サイトの訂正はこれから・・・で、いつ?(自分に突っ込み)

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