完璧すぎないのがいい


なんでも今は植木鉢なんて言わないらしい。フラワーポットとかプランターとかって呼ぶんだって。
ふーん、そうか。
と言うわけで、この写真はArabiaのフラワーポット。1960年代半ばのデザインです。
プランターを専用の水受け皿に乗せると、デザインが一体に見えるところが特徴です。確かに、植木鉢の水受け皿って、なんだかスマートでは有りませんものね。水と一緒に流れ出した土の汚れがいつの間にか溜まっているのも、嫌な感じですし、プランターの幅からグンと横にはみ出しているのもなんだか邪魔です。
その点、このデザインなら水受け皿の存在が全然分からない。まるでプランター単体のように見えます。それでいて、鉢にはちゃんと水抜穴も開いていますし、皿が深いので水がこぼれ落ちる心配もありません。
デザインコンシャスで、プラクティカル。
北欧は寒い気候のため、外よりも家の中に植物を飾ることが多いのでしょう。プランターもインテリアの一部としてとらえた結果が、このデザインに集約されている気がします。インテリアに対する意識の高さの違いを感じます。
いままで何度かこの無地(白や黒)のものは目にしていて、素敵とは思っていたのですが、なんとなく面白みを感じなかったので、手にしたことはありませんでした。人でもありますよね。良く出来すぎて、今ひとつ魅力を感じないことって。
ところが今回の買い付けで初めて、柄付を見つけました。手描きでラフに仕上げた柄が、完璧なフォルムに”はずし”の味をつけています。今まで近寄りがたいと思っていたのに、ぐんと身近にリアリティを持って近づいてきた気がしました。
実を言うと、箱から出したときには「ああ、そういえば買い付けたなあ」といった程度だったのですが、昨夜間接照明だけの部屋の中で眺めていると、どんどん魅力を感じてきました。今朝改めて見て「あれ、こんなに小さかったっけ?」と思ったくらい、存在感が大きい。
本当は自分で買い取りたいのですが、やめておきます。
園芸の才能のある人のことを、英語で”グリーンフィンガー”と呼ぶそうですが、さしずめ私は”ブラウンフィンガー”。
植物を上手に育てられたことがありません。そんな私が持つのは宝の持ち腐れですから。
素敵なポットです。すばらしいグリーンフィンガーのお宅にお届けしたほうが、このポットも幸せだと思います。グリーンフィンガーの皆様。お待ちしていますね。
アップ時期は・・・・聞かないでください。
ミタ

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