こんにちは。フィンランドの買い付けは続いています。
いつものショップに行くと、花瓶に猫柳の枝が挿してありました。黄色のラッパ水仙と同じくイースターを象徴する植物。そう思って外に出て周囲を見ると、あちこちに猫柳がふわふわの穂をつけていました。今まで何度もこの季節に来ているけれど、気が付いていなかった。
半年前はどこを見てもナナカマドの真っ赤な実が目に入ったのに、今はどこにもその赤い色は見えません。フィンランドはまだ新緑の季節には早く、枯れ木が並ぶ秋と変わらない風景ですが、確実に季節は移っているのですね。
半年前と変わらないのは、オーナーさんがいつも作ってくれる美味しいベリーのケーキ。森で摘んだ野生のベリーは甘みより酸味が立ち、たっぷりの生クリームをさっぱりとした味に変え、いくらでもお代わりできてしまいます(危険)。
今回も定番品からちょっと変わり種まで色々と買い揃えることができました。
特に変わり種はこちら。
「Koralli(コラーリ)がある」と棚の前を通り過ぎてから、違和感に気が付いて戻ってじっくりと見てその違和感がどこから来たのか分かりました。
通常はこのように葉の色が茶なのに、これは青い!
驚いてショップのオーナーさんに尋ねると「初めて見た」。そして「最初は分からなくて、棚に並べて他のコラーリと比べて気が付いたんだ」と。
限定品でしょうか?
なんだか分からないのですが、あった6客を全部買い付けてきました。
そして、買い付けが終わってコーヒーをいただいていると、春らしいおめでたい話も聞くことができました。
ひとつは、オーナーさん夫妻が結婚50周年を3月に迎えて地元の新聞に取材を受けたということ。「50年なんてすごいですね!」と感心すると「僕たちは結婚が早かったからね、僕が21歳で彼女は19歳だったんだ」。
二人ともおしゃれで素敵。このドレスはお友達が作ったそう。まだドレスは保管してあって、50周年のパーティーでは飾ってお披露目したそうです。
もう一つは、その二人の一人息子が婚約したということ(息子さんは30代)。その話を聞くと日本と違う習慣が面白く印象的でした。ツィッターでも書きましたので、フォローしてくださっている方はすでにお読みになったかも知れませんが…
1)婚約指輪は男性も左手薬指につける。デザインは飾りのないタイプでそのまま結婚指輪として使う。ちなみに古くからゴールドが好まれていたが、最近はホワイトゴールド(プラチナではなく金です)が流行している。
2)婚約してから結婚の日を決める。
3)結婚式にかかる費用は新婦の親が出すのが伝統だが最近は本人たちが負担することが多い。
4)結婚式に人気があるのは7月8月。
一番驚いたが、2)でした。「式はいつ?」と息子さんに尋ねると「来年にしようかと思っているんだけど…」と思ってもいない返事にびっくり。日本ではほとんどの人が結婚の日取りを決めてから結納(婚約)を行い、あとは当日まで準備を重ねるものですよね?
スウェーデン在住や、ノルウェー人と結婚されているツイッターのフォロワーさんたちから、それは彼の地では普通の事と教えられ、もしかして婚約と結婚が直結している日本の習慣がものすごくアジア的なのかもなあと、改めて考えさせられました。
それにしても買い付けで北欧に行くようになって9年。この間にスウェーデンのMさんは、出産→結婚→離婚→猫ブロガーだし、デンマークの小さかった(背は高かったけれど)Eちゃんは秋から大学生だし、50代にして新婚(再婚)だったデンマークのAさんにも、逆に結婚35年のスウェーデンのEさんにも孫が出来たし、梱包しながら半ケツ見せていたフィンランドのPさんの息子は婚約するし。1日1日は変わらないけれど、それが積み重なった9年は大きく人生が変化するには十分な年月なんですね。
ミタ
おまけのフィンランド猫劇場。
モイ!この家のスムです。あたしの家に日本人がいるので調べに来ました。
日本人は古いポットとかランプとかお皿とかカップを集めていました。危険物はありませんね。
じゃ、帰ります。
※この明るさで夜の7時です。
※スムとはフィンランド語で霧の意味。
北欧 食べる、つくる、かわいいと暮らす –
そんな9年が詰まったフクヤの本を、よろしくおねがいします。巻末には猫のスムも登場。