写真のプレート。70年代のアラビア製「Hilla(ヒッラ)」です。ヒッラとはフィンランド語でクラウドベリーのこと。
実はこのデザインは数年前までKäpy(カピ)、フィンランド語で松ぼっくりの名で流通していました。いつの間にか名前が変わっていたのですが、ビンテージは後から資料などが出て来て訂正される事が多いので驚きはしません。入荷の度に改めて調べ直しをするようにはしていますが、取りこぼしがありそうでこわいなあ。
さて、ちょっとしたお知らせは、このプレートの名前変更のことではなく、フクヤの今後のことです。
木曜日のメールマガジンには既に書きましたので、ご存知の方もいらっしゃるとは思います。
今月の末から買い付けを予定していて、半年前には航空券や宿をおさえ、各ディーラーさんにアポイントを取っていたのですが、キャンセルしました。
大きな理由の一つが、猫営業部長の体調です。3年前に掛った腎不全が初夏に急に進行し、1日置きの自宅点滴が欠かせなくなりました。12年間喜びや楽しみを与えてくれた彼女と今は離れずに一緒に過ごしたいな、と思いました。
この話を聞くと、すわ「もう余命短いの?」と聞いてくる、あわてんぼうの某ノルウェー夢ネットの某青木氏もいるのですが、そんなことはありません。何回か危ない時はありましたが、今は落ち着いていますし、穏やかに楽しそうに過ごしています。
しばらく買い付けに行かない、ということは、しばらく新商品のアップが出来ない、ということです。とりあえずは現地のディーラーさんに協力を仰ぎながら、仕入れをしていくつもりですが、今までのように毎週アップと行かなくなります。
けれども、お店を見渡すと、いいものが沢山あるではないですか。これらをピックアップして誰かの目に留まるようにできないかなと考えています。まだノーアイデアですが。
実は、正直言うと、少ししんどくなってきたな、という個人的な気持ちがあり、猫営業部長の体調が後押しをした側面もあります。
フクヤを始めた2006年はまだまだ北欧も、北欧のビンテージも、限られた好きな人だけでこっそり楽しんでいた感じがありました。少ない北欧の情報を分け合ったり、調べたりするのも楽しかった。
いつの間にか「北欧ブーム」が大きくなり、日々情報が波のように押し寄せ、13年前には数えるほどだったビンテージを扱うお店が増え、毎週のように開かれるどこかの蚤の市で誰かが北欧ビンテージを売っていて、全然そんなつもりがないのに、頑張らなくっちゃ、流れに付いて行かなくっちゃと追い立てられるような気持ちになり、知らず知らずに疲れが澱のようにたまっていました。
とはいえ、フクヤをやめるという事ではありません。10月にはガラクタ市も予定しています。すこしゆっくりペースになりますが、今後ともよろしくお願いします。
ミタ