12/8 スウェーデンのビンテージ陶器についてお話します

来たる12月8日にイベント「Sweet Sweet Sweden+」でスウェーデンの陶磁器デザイナーについてお話します。主催者さんから「まだ申し込みがありませんよ」と発破をかけられ、お尻に火が付きました。何とかなるんじゃないかしら~?と、のんびり構えていましたが、主催者さんのご心配も最もですね。内容についてもう少し詳しくお伝えします。

さて、今回お話するのは、第二次世界大戦にまつわるスウェーデン陶器デザイナーのお話です。
当店が扱っている商品は、1950年代から70年代のものが主です。ということは、多くのデザイナーは戦争を経験しています。この事実を知っていると、商品を手にするたびにこのデザイナーはどのような気持ちで作ったのだろうかと、思いを馳せずにはいられません。
例えば、フィンランドはソ連の脅威に対抗するため、日本と同じ枢軸国側につき、敗戦後多額の賠償をソ連に求められました。これはいちフィンランド人から聞いた話で、裏を取っていないので不確かなのですが、賠償品の中にはアラビアの陶器があり、ソ連に向けてステンシルのシリーズが多く輸出されたそうです。それを思うと熟練の技術が無くても、ステンシル(型)で手軽に絵付け出来るのは大量生産に向いていたのかも知れません。繰り返しますが、裏を取っていないので、一つの逸話として聞き流して下さい(たまに、不確かだけど…という話を書くとその後、他のショップで確定のように書かれているのに遭遇して冷や汗をかきます)。
デンマークとノルウェーは、たちまちドイツに占領されています。デンマークについては詳しくないのですが、ノルウェーは戦後、大国のデザインの模倣からノルウェーらしいモチーフのデザインに舵を切り、その民族的なテーマが逆に大国で人気を博しました。
さて、12月に取り上げるスウェーデン。スウェーデンは第二次世界大戦中は中立国でした。上からはソ連、下からはドイツが睨んでいる、綱渡りのような危ない状態でしたが。中立国であった、ということは、陶磁器界にも影響を与えています。
例えば、ロールストランドのマリアンヌ・ウエストマンの画期的なデザインがもろ手を挙げて歓迎された遠因は、戦争で街が破壊されていなかったから。

例えば、グスタフスベリのスティグ・リンドベリの元にヨーロッパ各国から才能ある人々が集まったのは、戦争に参加しなかったから。

そして、今回主に取り上げる、ウプサラ・エケビィのマリ・シムルソンがエストニアからスウェーデンに来たのは、戦争から生き抜くためだったからです。

ただ「かわいい」「美しい」だけでもデザイナーはきっと喜ぶとは思いますが、作品の背景を知ると、ビンテージを手にした時の気持ちが変わるハズです。
開催について詳細は下記をご覧ください。


<おはなし会「スウェーデンの陶器と、ある女性デザイナーをめぐるお話」>
日時:12月8日(土)11時半~12時半
場所:クァンタムギャラリー&スタジオ(東急東横線都立大学下車徒歩1分)
参加費:1500円 (飲み物付き)


事前予約制です。ご予約は下記メールアドレスまで、Sweet Sweet Swedenさんに直接お願いします。
sweetsweetsweden@yahoo.co.jp
イベントについては主催者さんのブログをご覧ください。
Sweet Sweet Sweden+
個人的には大好きなテーマなので、その面白さを他の方にシェアしたく思っています。皆さんにお話するのを楽しみにしています。お申し込みをお待ちしています!
ミタ
白村江の戦いが日本の仏像を大きく変化させたという話が好きな人(私)ならきっと好きな話。

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