作者不明の優しい紫のつぼみ

おはようございます。
先週末にキャロットケーキを焼きました。スウェーデンのレシピ通りに作ったら、結構な量があり、毎日朝食に食べています。キャロットケーキは日にちが経った方が美味しいと聞きましたが、さすがに飽きましたね…。
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キャロットケーキを乗せたプレートは、ロールストランドの、おそらく70年代のものです。優しい紫色のつぼみが描かれ、エレガントで女性的な雰囲気がします。シリーズ名が分からず、フクヤでは便宜的に「紫のつぼみ」と名付けています。
Rorstrand 紫のつぼみ
シリーズ名だけでなく、デコレートデザインも誰が担当したものなのか不明なのですが、フォルムデザインは分かっています。
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この通り、マリアンヌ・ウエストマンの作ったモナミ(Mon Amie)と同じです。モナミはマリアンヌ・ウエストマンが若干21歳の時にデザインした、彼女のロールストランドにおけるデビュー作であり、デコレートだけでなくフォルムもウエストマンが手掛けています。なので、紫のつぼみシリーズのフォルムはウエストマンによるものですね。
このシリーズについて詳細が分からないのは、1971年のロールストランドの大リストラの後に作られたものだからでしょう。1960年代にロールストランドを買収したウプサラ・エケビィはデザイナーを雇わない方針を打ち出し、アートディレクターであったカール・ハリー・スタルハネ一人残し全デザイナーを解雇しました。その物語については以前書きましたので、興味のある方は下記リンク先からどうぞ。
自由な環境が生んだ美しい作品
そんな状況で、ロールストランドが過去の遺産であるモナミのフォルムを再利用して、別のデコレーターで新作を作ったのだろうというのは難しい推測ではありません。
同じフォルムでもデコレートで随分と雰囲気が異なるものです。モナミはウエストマンの性格を反映してか、力強く大胆。一方紫のつぼみは前述したとおり、控えめで優しい。実は最初に手にした時、同じフォルムとは気が付かなかったほどです。
余白が多く、デコレートが控えめなデザインは夏らしく涼しげ。この季節に清涼感を与えてくれます。いまなら、ケーキプレートとティーカップの他に、クリーマー、シュガーボウルも揃っています。
ミタ

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