スウェーデン語翻訳家のヘレンハルメ美穂さんにサインを頂きました。
ところで、本国スウェーデンだけでなく、ダニエル・クレイグを主役にハリウッドでも映画化され、世界的に有名になったスウェーデンのミステリーシリーズ「ミレニアム」シリーズはご存じでしょうか?
2010年にスウェーデン社会研究所の須永所長にお会いした時「どんな国にもいいところと悪いところがある。でも僕は良いところだけを伝えようと思っているんだ」とお話しされた後「もしスウェーデンの暗部が知りたければ」と勧めて下さったのが、スティーグ・ラーソンによるミレニアムシリーズでした。
丁度買い付けで北欧に行く間近だったので、旅先で読もうとシリーズ第1部「ドラゴン・タトゥーの女」を購入。読み始めるとあまりの面白さに時間を惜しんで読みふけり、あっという間に読み終わってしまいました。
帰国してから第2部「火と戯れる女」、第3部「眠れる女と狂卓の騎士」と続けて読破。私としては珍しく家人にも勧め、スウェーデン制作の第1部を上映していた劇場で一緒に鑑賞し、テレビで放映されていた2部と3部も録画して観て、それでも飽きたらずハリウッド版リメイクも劇場に足を運びました。
今では、いつかはストックホルムで行われているという「ミレニアム ウォーキングツアー」に参加したいと思う程の、のめり混みよう。
そのミレニアムシリーズの日本語訳を手掛けたヘレンハルメ美穂さんが来日し、ノルウェー夢ネットのサロンで講演を行うと聞いた時は、是非参加したいと思ったものの、他の用件があったため断腸の思いで断念。それでも諦めきれなかったのでノルウェー夢ネット主催の青木さんに「一席設けるように」と強要し、先日ようやく実現しました。
ライターの森さんもいらっしゃって、青木さんと4人でのお食事会(あるいは女子会)です。初めてお会いした美穂さんは美人で長身。サバサバはきはきとした話しぶりから知性があふれる才色兼備な方。なるほど、この人からあのスパンとした読みやすい文体が生まれるのだと納得です。
少し会話が温まった頃を見計らい、美穂さんの最新作「犯罪心理捜査官セバスチャン」を取り出してサインをお願いしました。それが、冒頭の写真です。
スウェーデン語でもメッセージを書いていただいて読めないけれど嬉しい。いつもお風呂で読むので本はヨレヨレなのが恥ずかしかったですが。
「犯罪心理捜査官セバスチャン」にご興味があれば、左の画像をクリックして頂ければAmazonのサイトに飛んで書評をご覧いただけます。私がつたない感想を書くよりもずっと分かりやすく書かれているので、どうぞ参考ください。
お会いする前に読み返して、ふと気づいたのが「SMS」の省略語が使われている事。SMSとはショートメッセージサービスの略で、携帯電話の番号でやり取りをする携帯メールの一種です。
2003年にアイルランドに住んでいた時は、携帯での文字通信は、英語で「text(テキスト)」と呼ぶ、この方法しかありませんでした。むしろ帰国して日本でメールアドレスによるやり取りが主流で、テキストがほとんど使われていない事に驚いたくらい(日本在住時は携帯電話は持っていませんでした)。
美穂さんにこのことを伺うと「6年前のミレニアムの時は”携帯メール”と訳していましたが、今はそのまま使っても大丈夫かなと思って」と。「脚注だらけの本は読みにくいと思うので、訳語に気を使っています」ともおっしゃって、海外に住みながら日本の言葉の変化に付いていくご苦労を感じました。
と、ここでもう一つ以前から気になっていた疑問をぶつけてみました。
「スウェーデン版の主役ミカエル役の俳優さん(ミカエル・ニクヴィスト)があんまりイケメンでないのにモテモテの役。彼は前作の歓びを歌にのせてでもモテ役でしたが、スウェーデン的に魅力的なんですか?」。
それに対して美穂さんは「いえいえ、違いますよ」と全否定。「彼はスウェーデンが国際的な作品を作るときに良く選ばれるんです。日本の役所広司っぽいポジションかな」。
なるほど~。そういえば役所広司さんフィンエアーの広告でも出ていらっしゃいますね。ヘルシンキのバンター空港で配布されていたフリーペーパーでも英語のインタビュー記事を読みました。
ちなみに美穂さんはスウェーデン版よりも、ハリウッド版ミレニアムの方が原作のグラマラスな雰囲気が出ていて良いと思うそうですよ。
ダニエル・クレイグも恰好良くてモテモテも納得でしたしね。
そんなこんなで、2時間の食事会の予定が気が付くと4時間も経っていて全員がビックリ。またの機会をお約束してお別れしました。
次はスウェーデンでお会いできるかも知れないです。その日を楽しみにしています。
ミタ
ところで、美穂さんが私のサインをした後にバッグから取り出したのは、森さんの最新作「北欧レトロをめぐる21のストーリー」。美穂さんは早速、森さんのサインをもらっていました。その様子を見ている青木さんに「今度ノルウェー語の本を買って青木さんにサイン貰いますね」と声を掛けたら「絶対にウソでしょ!」と返されて、まあでも人生どこに転がるか分からないから、ノルウェー語の勉強することもあるかもよ?
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