ノルウェーのストックがカナダのメープルシロップに

朝一番にFacebookにアクセスすると、カナダ在住の友人がソチオリンピックのクロスカントリー男子スプリント競技でスキーの板が破損してしまったロシアの選手にカナダのコーチがスキー板を手渡し交換した、というニュースをシェアしていました。
その話に関連して、トリノオリンピックでのカナダとノルウェーのよく似たエピソードが紹介されていて、それでは、今日のブログで取り上げようかな、とパンケーキを焼いて準備をしていたら家人から「その話ならとっくにTwitterで出回っているよ」と言われてしまったので、新鮮味は無いかもしれませんが、せっかくなのでご紹介しますね。

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事の起こりは2006年にイタリアのトリノで開催された冬季オリンピック。女子団体スプリント競技の途中で、カナダ選手のストックが折れてしまいました。その時とっさにノルウェーのコーチであるBjørnar Håkensmoenが自分のストック(12㎝長い)を提供。結果カナダは銀メダル、そしてノルウェーは4位に終わったそうです(1位スウェーデン、3位フィンランド)。
オリンピックの公式サイトに動画がアップロードされていました。1:06あたりでこのようにストックを渡すシーンが見られます。

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実際の動画は下記画面クリックでご覧いただけます。

さて、”事の起こりは”と書き出しましたが、この話はこれで終わりませんでした。
その顛末に感動した多くのカナダ人から大量の感謝のメッセージ、そしてワインやチョコレートのプレゼントが届けられました。
更にHåkensmoen氏にカナダ名産のメープルシロップを贈ろうと、メープルシロップの寄付を呼びかける「プロジェクト メープルシロップ」が発動。結果7400缶ものメープルシロップ、重さにして5.2トンが集まり、オスロへ送られました。ちなみにカナダとノルウェー政府間でこのメープルシロップに関しては関税をかけないとの協定も結ばれたとか。
メープルシロップはノルウェーでは一般的な食品ではなく、当時37歳だったHåkensmoen氏は生まれて初めて口にした味に「甘い、でもちょっと変わった味だね。時々は食べるかも知れないけれど、1日5回は無いかな」と感想を述べたそう。
Håkensmoen氏の行為はカナダで
「我々は銀メダルを取った。でもノルウェーはスポーツマンシップにおいて金メダルだった」
と称賛されました。
というわけで、なぜブログのためにパンケーキを焼いていたかは、こういった理由。写真のプレートはノルウェーFiggjoのAstrid デザートプレート。メダルを思わせる真ん丸な花が並んでいます。直径約20㎝の一番使いやすいサイズ。
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ところで、家人の留学先でのクラスメイトだった二人のカナダ人が本当に人柄が良く、カナダには興味は無かったけれどこんな人たちが住んでいるなら行ってみたいなあ、と言っていたのを覚えています。
またノルウェー語通訳・翻訳家の青木さんがノルウェー語を始めたきっかけは、旅先で出会ったノルウェー人の優しさに感激したからとか。
私はどちらの国の人も語れるほど多くは知りませんが、このエピソードがカナダとノルウェーの間だったことが、なんとなく分かる気もしました。
ミタ
オリンピックに関してはこんなブログも書いています。合わせてどうぞ。
悲願のヘルシンキオリンピック
イギリスとオリンピックとストックホルムとマラソン
カナダに負けたノルウェー選手の感想が気になる。それと、1日5回がジョークなのか、本当にノルウェー人は1日5回パンケーキ(もしくはそれに準ずるもの)を食べているのかも気になる。あと、カナダではメープルシロップは瓶でなく缶なのですね。

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