どっちがカレワラ150周年記念プレート?

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おはようございます。
10月の買い付けのときに、興味深いカレワラプレートが一度に手に入りました。よほど、縁があったのでしょうね。
ところで、カレワラが何かご存じない方もいらっしゃると思います。
カレワラ(カレヴァラ)とはフィンランドに伝わる叙事詩で、民間に伝わる話を19世紀に医師であるエリアス・リョンロートがまとめ上げたものです。
当時ロシア帝国の支配下にあったフィンランドを最終的に独立に導いたといわれ、フィンランドでは、誰もが知っている国民的物語。ヘルシンキのアカデミア書店にはカレワラコーナーがありました。
ところが、フィンランド人に読んでみたいというと「もっと面白い話があるよ」と言われてしまいました(正直退屈、ということでしょうか?)。
けれども、一方で「フィンランド人のメンタリティには、カレワラ物語が何かしら影響を与えている」とも教えてもらい、そういう意味でも、確かに国民的抒情詩なのでしょう。
さて話は戻り、こちらの写真のプレートですが、フィンランド、アラビア社が1976年から1999年まで毎年カレワラ物語をテーマに出していた、アニューアルプレートです。デザインはライヤ・ウオシッキネン。
カレワラプレート
一番右のサイズは、そのアニューアルプレートです。1999年は比較的見つかりにくい年なのですが、左の一回り大きなものと、手前の小さなものはそれに輪を掛けて、かなり珍しいものかと思います。
一番大きなサイズの裏書を読むと、1985年にカレワラ物語出版150周年を記念して作られた、限定生産品で、このサイズはこの年にしか作られていません。描かれているのは1999年と同じく、主人公のワイナミョイネンがカンテレという楽器を奏でると動物も天も地も感動した場面です。

手前の小さなプレートは裏書に「FACTORY VISIT」とあるので、恐らくアラビアファクトリーを訪れた人だけに販売(配布?)されていた、記念品です。大きなプレートと同じ柄ですので、これも1985年のものでしょう。
さて、不思議に思ったのは、実は1999年のプレートには当時の説明書が同封されていて、そこには

このカレワラアニューアルプレートは記念すべき、カレワラ物語150周年である、1999年に終了します。

とばっちりと書いてあるのです。
ええ?1985年がカレワラ150周年ではないの!?
と驚いて、カレワラについて調べると、なんと1835年に最初の版が出版され、その後、増補した最終版が1849年に出版されたとか。
つまり、150周年は(考え方によっては)2回あったのですね。
うーん。なんだかトリッキーだなあ・・・。
それはともかく、1985年のプレートは画面の大きさもあいまって、素晴らしい作品になっています。シリーズのプレートと違って、視点がぐぐぐっと上にあり、鳥の視点になって木立の間から一緒にカンテレの演奏を聞いているかのような構図が素晴らしい。
この3枚のプレートは2月に同時にアップします。お楽しみに。

ミタ

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カンテレ (kantele) はフィンランドの民族楽器の一つで、ツィター属に属する撥弦楽器の一種である。(Wikipediaより)
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どっちがカレワラ150周年記念プレート?」への4件のフィードバック

  1. 関西人なら誰でもカンテレという文字を見ると、頭の中には「カンテ~レ♪」という節が流れ出すはず。しか~し、この午後はお奨めのカイワレじゃなくてカレワラの3枚のお皿を眺めつつカンテレ演奏に聞き入ってしまいました。「カンテ~レ♪」は消えてゆき、静謐で心地良いカレワラ観賞の午後となりました。パチパチパチ。ミタリネンありがとう。
    画面を大きくしてカンテレを聞くうちにいつの間にか画面の動物の間に座り込んでました。・・・夜中にまた聞こうっと。

  2. >>もももままさま
    家人にも聞かせたら「いい演奏を聴いた」と喜んでいました。次回買い付けの時にはCDでも買ってこようかと思っています。
    で、えーと。すみません「旧」関西人なので、「カンテ~レ♪」が何か分からないのですが・・・。「イッセーのメイブ~ツ」とか「パルナス、パルナス、モスクワーの味~」とか「ミーユキ、ミユキ、服地はミユキ」なら分かりますが・・・(カルピスお子様劇場ですね)。

  3. 「カンテレ」は関西テレビ(こちらで8ch)のことでハチエモンがカンテレキャンペーンCMのキャラクター。「カンテ~レ♪」と口ずさめば関西人のだれもが唇付きたまごのハチエモンを思い浮かべます。カンテレ・ハチエモンを検索してね。

  4. >>もももままさま
    調べましたー。1997年からのキャッチフレーズなんですってね。そのときはもう関西を離れていましたねー。
    たまに従兄弟に会うと関西弁も日々変化しているようで、既に言葉にも時代のギャップが生まれています・・・。

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