Edenの作者は?

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おはようございます。
昨日フィンランドから、「ヘルシンキは晴れていて気温は18度くらい。すごく過ごし易いわ♪」とメールがありましたので、「東京は曇っていて、気温は30度くらい。全く太陽の姿を見ないわ♪」とやっかみ半分に返信しました。

ほんとう、暑くて湿気の多い今が一番つらい時期ですね。出来ることなら北欧にビューンと飛んで行きたい。
飛んでいけないならば、せめて、食器だけでも涼しげなものを使ってみてはいかがでしょうか?

この美しいブルーが涼しげなコーヒーカップは、スウェーデン、ロールストランド社のEdenシリーズです。青、紫、黄緑の組み合わせが涼しげなだけではなく、とてもセンスが良く、このままインテリアや服装に取り入れてしまいたいくらいです。

Edenという名ですし、りんごが描かれているので恐らく聖書に出てくる「エデンの園」のエピソードに、ちなんだデザインなのではないかと思います。

ところが、しばしばイブがエデンの園で食べた禁断の果実は、りんごで描かれるのですが、実は聖書には「知恵の実」とあるだけで、りんごとはないのです。研究者によれば、当時の中近東にはりんごはなく、無花果(イチジク)だったのではないか、ということでした。確かにアダムとイブが股間を隠しているのも、無花果の葉ですものね。

間違って伝わっているものといえば、このEdenの作者は、Marianne Westman(マリアンヌ・ウエストマン)と言われているのですが、どうも違うようです。

ウエストマンと言えば、Picknickシリーズや、最近復刻したMon Amieで知られた、ロールストランド社の人気デザイナー。1928年生まれで、現在(2009年)もご存命です。

過去にもEdenシリーズはFukuyaに何度か入荷しているのですが、今回再入荷をきっかけに、もう一度バックグランドについて調べてみました。以前からしばしば閲覧しているスウェーデンのアンティーク掲示板があり、そこに今年の投稿としてEdenの作者について、というものを発見しました。

スウェーデン語を翻訳ソフトで一旦英語に直してからの読むという、回りくどい方法なので、部分的に不明なところがあるのですが、スウェーデン語と英語は文法や単語が似ているのか、95%くらいはきれいに訳してくれます。

そこにウエストマンの本を出版するために本人に直接インタビューをしたというPetter Eklund氏のコメントが投稿されていました。
彼によると、ウエストマン本人が、Edenは自分ではなくGustavsberg社から移籍してきたSigrid Richterによるものと発言しているそうです。

RichterはGustavsnergの工房では、リンドベリのデコレーターとして活躍をし、彼女自身の作品であるカップやポットが数年前にFukuyaに入荷したこともあります(カップは「北欧のかわいいカフェ雑貨」の撮影に貸し出しましたので、良ければ73ページをご覧下さいね)。

ウエストマンはやや強い口調で「Edenは私の作品ではありません」と繰り返し言ったそうで、このことには彼女自身もRichterに対して申し訳ない思いがあるのでしょうか。
Eklund氏によると、Edenの制作時期がウエストマンがアメリカに滞在していた時期と重なることも、彼女自身の作品ではない証拠では?ということでした。

これについては他の方も、スウェーデンのアンティーク雑誌の特集で、同じことが書いてあったと発言していることから、かなり信憑性があるのかもしれません。
さて、Eklund氏はその掲示板のなかでこう結んでいます。
「けれども、そのことは、EdenとAnemon(こちらもウエストマンの作品ではありません)を楽しむ事を全く妨げるものではないんです。ともかくね。」
本当にその通りで、作品そのものが素晴らしければ、作者が誰だなんて全く関係ありません。どうぞ、この作品の素晴らしさを、目で、心で、楽しんでくださいね。

Enjoy!
ミタ
..
Eklund氏の本の出版が待たれますね。あ、でもスウェーデン語では読めないか・・・。誰か翻訳してくれないかなあ。

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