太陽と月に愛されて


デンマークからニモールのマンスリープレートが入荷しました。
同時に入荷したのが、写真のプレートです。名前は”SOL(太陽)”と”MAANE(月)”
こちらは、デンマークの家庭用品店Inspirationが1977年にオープンした際に、各限定1000枚で作られたノベルティー品です。デザインはもちろんBjorn Wiinblad。
太陽と月の元で愛を謳歌するカップルの姿が描かれているのですが、背景に目を転じると、小さな花の一つ一つ、犬(豚?)の巻き毛の一本一本までみっちりと描いてあり、まさにヴィンブラッドの世界です。こういうディティールを見ると、本当にこの人は絵を描くことが大好きだったんだろうな、とほほえましい気持ちにさえなってしまいますね。
以前、展覧会でオーブリー・ビアズリーの、木の葉一枚一枚まで描き込んでいる絵を見たときにも同じように「この人、これ描いている間楽しかったろうなあ」と感じた事を思い出しました。
細かい描き込み大好き!という点では似ている、ヴィンブラッドとビアズリーですが、絵の性質はまったく逆です。
体が弱く、内にこもりがちで25歳と言う若さで亡くなったビアズリーの、暗く皮肉に満ち猥雑な絵が月とすれば、ヴィンブラッドは太陽。
彼の作品は人生の喜びに満ち、ロマンティックで、美しい自然を描写しています。時には音楽をベースに作品を作ることもあったそう。
作品は陶器だけではなく、切手、舞台、衣装、テキスタイル、ポスターなどなど多岐にわたり、デンマークの子供たちは彼のアニメを見て大きくなったとかで、まさに大人から子供までデンマーク人に愛された作家です。
惜しくも、昨年(2006年)亡くなりましたが、1918年生まれですから、88歳だったことになります。長生きだった点も、ビアズリーとは対照的ですね。
まだ存命中に読んだ晩年の彼の記事の中で「今も彼は、親戚の子供たちにせがまれれば絵を描いてあげている」という記述を読んだ気がするのですが、探しても見つからず、今となっては本当の事かどうか分かりません。それでも、なんとなくヴィンブラッドなら有り得そうな気がします。
描く絵と同じように丸顔で恰幅のいい彼に、親戚の子供が「ねえ、お姫様描いてよ」なんて頼んで「よしよし」とそこら辺にある適当な紙をひょいと手に取って描いている姿。ちょっと思い浮んできませんか。
ミタ

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