柔らかな筆致でフワフワと猫柳を描いたアラビアのPaju(パユ)のデザートプレートがまとめて入荷しています。デザインはAnja Jaatinen-Winqvist (アンヤ・ヤーティネン=ウィンクヴィスト)。
2010年にPaju(パユ)のスーププレートを取り上げた時に、彼女に付いて色々調べたけれどあまり分からなかった、といったような事を書いて、結局アアルト大学の話でお茶を濁してしまっているので、改めて再調査してみました。
そして分かったのが、2015年12月16日に亡くなっていたこと。私は昨年の12月1日にPaju(パユ)の色違いのデザートプレートについてブログを書いていたので、その2週間ほど後に亡くなっていたことになります。前回取り上げたときはご存命だったのに…と、しばし言葉を失いました。
彼女の訃報を伝える新聞記事で、ろくろの前に座るアンヤの姿がありました。彼女はろくろで作品を作る技術に優れていたとか。
アンヤ・ヤーティネン=ウィンクヴィストは1934年生まれ。配偶者は同じく陶芸家のPeter Winquist(ペテル・ウインクヴィスト 1941年- )です。アンヤは1955年から74年までアラビアのアートデパートメント(芸術部門)に所属し、1974年からはフィンランドの家庭用品メーカーPentik(ペンティック)へと移りました。
アラビアに所属していた20年ほどの間に、Kaira(カイラ)、Karelia(カレリア)、Saara(サーラ)、Soraya(ソラヤ)、そしてこのPaju(パユ)と多くの作品を作り出しました。けれども、その時代アンヤはほとんど無名の作家で、結局名を成すことは出来なかったそうです。アンヤは国内外の展覧会に作品を出展していましたが、受賞したのはアラビアを辞めた後の1976年のことでした。
2010年に書いたブログでは、日本の多くのショップではデコレートデザイナーの名が分からずUlla Procope(ウッラ・プロコペ)と記載されていると書いていますが、フィンランドでも実は無名に近い存在だったのですね。
アンヤは音楽が好きでピアノを弾き、自然から作品のインスピレーションと癒しを得ていたとか。パユのデコレートは彼女らしい、ゆったりとした自然のリズムを感じる作品です。青のデコレーションは、様々なメニューに合わせやすく、お勧めです。
→Arabia Paju デザートプレート
ミタ