こちらは先週アップしたフィネルのランプPrimavera(プリマヴェーラ)。
Finel(フィネル)とはフィンランドにかつてあった琺瑯製品のメーカー名です。1920年創業の琺瑯メーカーKone-jaSältarakennus Oyを重金属メーカーWärtsilä(バルチラ)が1938年に買収し、Finel(フィネル)に社名変更しました。フィネルとはフィンランドとエナメルの複合語と聞いたことがあるのですが、本当かな、多分本当だな。
バルチラは1947年から1990年までアラビアを所有していたので、フィネルの製品にはアラビアのデザイナーがデザインを提供しています。例えば、このランプはフォルムデザインがカイ・フランク、デコレートデザインがライヤ・ウオシッキネン。
久しぶりに入荷したので、ランプについて改めて調べると、面白い記述が見つかりました。フィネルのランプはそもそもボウルとして作られたフォルムを、上下をひっくり返して1976年に作ったものだとか。これは製造費節減計画。ちなみに同型のボウルはこちら。
という話を書こうかなあと思っているうちにご注文があったので、ランプは売り切れました。
というわけで、もう一つの小話を。Finelのこの花柄は全部で4色、黄色、茶、緑、赤があります。アイテムはランプシェード以外は、鍋とポット。バリエーションが分かりやすいようにアイテムと色を変えて並べました。
実はプリマヴェーラは、黄色と茶色だけ。しかも茶色はランプシェードしか作られていません。黄色のプリマヴェーラは1974年に発売開始されています。茶のプリマヴェーラは最初に書いた通り、1976年にランプにボウルの形を転用したときに追加された色です。
この1976年に緑と赤も追加されています。実は緑と赤はプリマヴェーラではなく、マーレット(Maaret)とフィンランドの女性名がつけられました。
当店では便宜上、緑と赤の商品名にはMaaret(Primavera)とカッコつきでプリマヴェーラの名を併記しています。Maaretでは分かりづらいですものね。
ランプシェードは売り切れましたが、Maaret(赤)とPrimavera(黄色)のお鍋は各1個在庫があります。
ご興味があれば、下記リンク先からご覧くださいね。
Finel/Arabia Maaret(Primavera)両手鍋 (赤)(2.5リットル)
Finel/Arabia Primavera 両手鍋 (黄色)(3.5リットル)
ちなみに1990年バルチラが所有していたアラビアはハックマンへと売却され、フィネルも終了します。近年見直しがされている琺瑯製品ですが、実はこの時代はステンレスやプラスチックなどにとって代わり、琺瑯製品が衰退していました。それもフィネルが終了した理由の一つなのでしょうね。