週末にトマトスープを作りました。アイルランドで買った料理本にあったレシピで、トマトだけでなくローストしたレッドパプリカ、そしてシナモンが香り付けに入ったポタージュです。普通のトマトスープかと思って口に含むと、あれ、という驚きがあります。
カップはアラビアのSinilintu(シニリントゥ)。フィンランド語を直訳すると「青い鳥」の意味です。大きいサイズで容量は460cc。個人的にも好きで、2個所有しています。上のリンク先は販売ページですが、写真に使っているのは私物のカップです。
名前の通りカップには青い鳥が描かれ、その周りをまるで孔雀の尾羽のような花のパターンが埋め尽くしています。小鳥の頭と尾にも葉っぱがあり、足も葉の形になっていて、植物と一体化して描かれています。
シニリントゥはライヤ・ウオシッキネンによる1965年のデザイン(販売はその翌年から)です。もともと画面をモチーフで埋めるのが好きなウオシッキネンで、Emilia(エミリア)シリーズやKalevala(カレワラ)プレートも同じように背景が花や植物で彩られていますが、これらの場合は主役と背景の役割はきちんと分ります。
一方シニリントゥの場合、鳥と草花が渾然一体となっていて、ぱっと見ると草花は尾羽に見えますが、改めて目を凝らすと鳥と草花は別のものとして描かれているのだと気が付き、最初の印象が変わります。
そこに気が付くと、あらためてこのデザインの持つ幻想的な表現に、引き込まれるような魅力を感じませんか。
簡単に分るよりも「あれ?」という驚きや意外性があったほうが楽しいですよね、料理も、デザインも。ついでに人も。
ミタ
外でお金を払って食べるなら驚かせて欲しいと思っているのですが、かといって奇をてらったものが食べたい訳ではないのです。上手く言えませんが。