「物語」を紡ぐアラビアのシリーズ

フィンランドの買い付けで久しぶりにTarina(タリナ)シリーズを少し買い付けました。タリナは黒、あるいは茶の素地に引っ掻いて削った白の線によるデコレーションを施したシリーズです。あまりアラビアっぽくない不思議な雰囲気。
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以前もデキャンタやボウルを買いつけたことがありますが、癖が強く個性的なので、私にとっては選ぶのが難しいシリーズです。同じシリーズ内でも、絵柄に統一したテーマのようなものは感じず、思い付くままに作った雰囲気があります。
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Tarina(タリナ)とはフィンランド語で「物語」を表します。以前はシリーズ名以外の資料が見つからず、長い間詳細が分からなかったのですが、最近の資料で少し背景が分かったので自分用の記録も兼ねて(このケース多いですね!)。
Tarina(タリナ)
製造期間:1954年-1963年
フォルムデザイン:不明
デコレートデザイン:主にEira Käär(エリナ・カール)、Leena Vuorinen(レーナ・ヴオリネン)で、他にBrita Heilimo(ブリタ・ヘイリモ)、Olga Osol(オルガ・オソル)も加わっていた。
デコレートは様々な種類が作られている。
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どうも、柄のテーマに統一感が感じられないのは、同じ技法を使いながら、数人のデザイナーが関わったことが理由のようです。主に担当していた(と思われる)エリナ・カールとレーナ・ヴオリネンについてはあまり資料が残っていません。
かろうじて、エリナ・カールについては、アラビアに所属が1946年から57年。うち、アラビアの芸術部門に所属機関が1946年から47年とありました。日常の食器、あるいはよく知られたシリーズを手掛けたデザイナー以外は、あまり記録がありません。
いつか、もうちょっと調べる事があるかもしれませんが、一応ここで、調査終了。こちらのシリーズは来週アップ予定です。
ミタ

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