アルミ・ラティアが恋をしたマリメッコのマリボウル

秋の買い付けでマリメッコとイッタラがダブルネームで作っているマリボウルを2個買いました。ところが輸送の途中で1個割れてしまい残念でなりません。
写真の手前が無事届いた方。奥にある濃い色は以前から私物で持っているものです。
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自宅用に買った事はあるものの、販売用としてのマリボウルは初めて。同じフィンランドでもアラビアの陶器の事なら多少は分かるものの、マリメッコとなるとさっぱり分からず、ただ長年の付き合いのオーナーさんに勧められ、それならと買い付けました。
マリボウルについては何も知らなかったので、帰国してから改めて調べました。マリボウルは日本でもファンが多く、これから書くことはお好きな方には常識であろうとは思いますが、バラバラと集めた情報を一つにまとめるための、私用の備忘録でもあります。
マリボウルはプレスガラス技法による高足付きのガラスボウルです。二つのつなぎ目が入っているのが、プレスガラスの証。
こういった形のボウルはシュガーボウルとしてヨーロッパでは古くから作られていて、もちろんデザイナーは特定できるものではありません。1800年代のドイツが発祥のようで、フィンランドではリーヒマキガラス(Riihimäen Lasi)が似たような形でいくつか作っていました。
1950年代にマリメッコの創業者アルミ・ラティアがこのボウルを気に入り、長年の戦いの末1959年にマリメッコがデザインを買い取りました。
誰がラティアにこのボウルを見せたのか諸説あります。一つは、アルミの息子、リソトマッティ・ラティアがどこかで見つけ母のために買ったとされる説。一つはマリメッコのデザイナーだったヴォッコ・ヌルメスニエミがマリメッコを去る際にディスプレイに布と共に使ったとされる説。他にもアルミが自分で見つけたとされる説。
いずれにしても、マリボウルは1959年にヌータヤルヴィで生産が始まり、正式にマリボウルと命名されました。1965年からはイッタラが製造しています。
1965年はクリア、バイオレットブルー(現:ライトブルー)、グリーン、コバルトブルー、ブラウニッシュグレイの5色でしたが、数年ごとに色を加え、あるいは廃番とし、2008年には小さなサイズも加わり、現在(2016年2月)オリジナルの大きなサイズが11色、小さなサイズが3色の全14アイテム展開。
また、1980年から1994年までは、マリメッコのロゴは紙かシルクのステッカーでしたが、2004年からはエンボスで底に入るようになりました。
今回買い付けたマリボウルは底にマリメッコのシルクステッカーが付いているので、1980年代の製品。色は製造当初からある、ライトブルーではないかと思いますが、自信無し。
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ちなみに、私物のマリボウルはこのようにエンボスでマリメッコのロゴが入っていますので、2004年以降の生産。
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上から見ると花が咲いているようです。
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こちらは今月中にアップ予定。
ところでマリメッコの創業者、ラティア・アルミの伝記映画が5月に公開予定。これは映画の予告編。面白そうです。

ミタ
ちょっと自信がないのですが、フィンランドの新聞でラティア・アルミの伝記が舞台化されていたのを何年も前に見た記憶があります。あれとはまた別なのかな?

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