昨日フィンランドのガラスデザイナー、ヘレナ・テュネル(Helena Tynell)さんの訃報が入ってきました。
お生まれは1918年12月10日。お亡くなりになったのは2016年1月18日。享年97歳。また一人ビンテージのデザイナーが亡くなったことに寂しさを覚えましたが、一方まだご存命だったことには驚きました。
テュネルは美術学校を卒業後、1943年から1946年はアラビアに所属し、1946年から1976年までリーヒマキガラス(Riihimäen lasi/リーヒマエンラシ)で働きます。様々な作品を作りましたが代表的なものにこのガラスボトルAurinkopullo(アウリンコプッロ)があります。アウリンコプッロとは、フィンランド語で「太陽のボトル」の意味。製造期間は1964年から1974年です。
このボトルのサイズは大小4種類あり、色は確認されているだけで17色もあるとか。バリエーションの豊富さは収集魂をくすぐるのか、フィンランドではコレクションしている人も珍しくはありません。
また、当店でも人気のPala(パラ)シリーズも彼女の手によるものです。
テュネルは1976年にリーヒマキガラスを辞めた後は、ドイツ、スウェーデン、アメリカと、海外で活躍したそうです。
イッタラやアラビアのような現存するメーカーのデザイナーと違い、すでに閉鎖したリーヒマキガラスのデザイナーについては、なかなか情報を得ることが難しく、残念なことに私は彼女についてあまり詳しいことは知りません。
訃報を伝えるフィンランドの新聞Helsingin Sanomatには晩年の彼女の写真が掲載されていました。
何気ない服の胸元の花の刺繍が愛らしく、きっと魅力的な方だったのだろうと、想像しています。
ご冥福をお祈りします。