19世紀の流行を愛らしくアレンジした西洋狛犬

スウェーデンのディーラーさんの倉庫で、このスウェーデンのGefle製の1対の犬の置物を見たとき、懐かしい思い出がよみがえってきました。
151007-1
アイルランドに住んでいた時、アンティークショップが集まったモールをぶらぶら見て周るのが楽しみでした。まるで日本の狛犬のように向い合った犬の置物はどのお店にも様々な種類が置かれていて、これは何か意味のある物なのかしらと、いつも気になっていました(心の中で“西洋狛犬”と名付けていました)。
アイルランドにあったそれらのセットは、もっとクラシックな形でしたので、きっと随分と昔からある物なのだろうと、Gefleのセットを買い付けた機会に調べてみると、スタッフォードシャードッグと呼ばれるイギリス発祥の置物でした。
Pottery Spaniels
主に焼き物で有名なスタッフォードシャー州でキャバリア・キング・チャールズ・スパニエル犬、いわゆるキャバリアをモデルに作った置物で、19世紀イギリスのビクトリア朝時代には暖炉の上にセットで飾るのが、ブルジョア家庭のステイタスシンボルだったとか。暖炉の上に飾ることから、暖炉犬(fireplace dogs)の別名もあり、金の鎖とロケットで装飾され、乳白色のベースに柄が基本。
そもそもは、イギリス王室がキャバリアを大層気に入って飼っていたのが、これらの置物が作られたきっかけで、現在ではコレクターアイテムにもなっています。19世紀の終わりごろには粗製乱造品もあるので注意すべきとか。
また、この置物には妻が窓辺に置き愛人への合図に使ったとの面白い言い伝えがあります。犬の顔を向き合わせて置くと夫は在宅、背中合わせだと海(仕事)に出て不在なので家に来ても安全、の意味だそう。
そういえば、コペンハーゲンを紹介した日本の紀行番組で、同じ話を耳にしました。17世紀に建てられたオレンジ色の元海軍住宅、Nyboder(ニューボーダー)の窓辺に飾られた犬の置物のセットについてレポーターが住民に尋ねた時の答です。海運国同士のイギリスとデンマークですから、海を越えて置物が挿話と共に伝わったのでしょうか。その番組を観た方はいらっしゃるかしら?
151007-4
話をGefleの犬に戻すと、バックスタンプにDorothy Clough(ドロシー・クロウ)とデザイナー名が入っていました。スウェーデン人らしからぬ名前の彼女について調べると、やはりスウェーデン人ではなく、イギリス人。1930年生まれで、ゲフレに所属機関は1954年から57年の20代半ばの時。なるほどイギリス人なら子供のころから、この置物に馴染んでいたのでしょう。スウェーデンにも19世紀にイギリスから伝わり、それを基に作ったのかと思いきや、話はもっと単純なのかも。
151007-2
クラシックな置物を若い女性らしい感性で愛らしく表現したスタッフォードシャードッグの置物。暖炉ならずとも窓辺やお部屋を優しく彩ってくれるでしょう。クリスマスまでにはサイトにアップしたいです!!
ミタ

【この記事をシェア】

コメントを残す

関連投稿

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る