若々しい感性が光るトゥーリの作品

こんにちは。昨日に引き続いて、ノルウェー製品のご紹介です。フィッギョは好きなブランドなのですが、ノルウェーでノルウェーの物を買うと高すぎるので(物価が高い国ですから)、どうしても他国で探すことになります。そうなると、なかなか揃わないのですが、今回スウェーデンのショップで何種類か出会うことができました。
これは、フィッギョを代表するデザイナー、トゥーリ・グラムスタッド・オリヴェール(Turi Gramstad Oliver)によるグリル(Grill)シリーズのプレートとカップです。スクエアの形がユニークで、トゥーリらしい独特な色彩で鳥や花が描かれています。はっきりとした年代は分かりませんでしたが、トゥーリがフィッギョに在籍したのが、1960年から80年ですので、その間の作品なのは間違いないです。
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トゥーリは1938年生まれ。現代作品のアーティストとして現在も作品作りを続けています。彼女はフクヤで扱っているビンテージ作品のデコレーターたち、例えばアラビアのエステリ・トムラが1920年生まれ、ライヤ・ウオシッキネンが1923年生まれなのを思うと、彼女たちよりも一回り以上下の世代です。
前述のアラビアのデコレーターたちは40年代のクラシックな雰囲気のデザインから戦後のモダンデザインへと自身も絵柄を変えていったり、銅板転写法や手彩色の時代から色鮮やかなシルクスクリーンプリントへ移る時代に自ら開発に関わり、デザインや技術の発展を支えて来ました。
一方トゥーリがフィッギョに入社したのは1960年でしたので、初期から当時の新しい技術を生かし、新しい時代のデザイン感覚で、次々と色彩鮮やかな作品を作り上げました。
もちろん、トゥーリも戦争を知っている世代なのですが、エステリ・トムラらが美術学校で爆撃の音を聞きながら勉強を続けていたのに比べ、戦後に青春を過ごしているためか、作品には屈折が無く、実に明るく生き生きとしています。常識にとらわれない色彩で作り上げた、彼女の弾けるような感性の作品を見ると「新しい時代が始まったなあ」「若さって素晴らしいなあ」としみじみと感じざるを得ません。
これからも、見ているとこちらまで幸せな気持ちが伝染してくるような、彼女の作品をもっとご紹介できればと思っています。
なお、写真に写っているGrillのお皿は今週、カップ&ソーサーは来週アップ予定です。
ミタ
P.S.
お皿に乗っているシナモンロールは最近凝っているスウェーデン巻きです。
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