春の明るさ、ロールストランドのIsabellaシリーズ

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手彩色で描かれた明るいオレンジ色の実が温かな印象のシリーズ、Rörstrand(ロールストランド)のIsabella(イサベラ)です。

スウェーデンのブランドですが、フィンランドでこの一式を買い付けました。僅かなカトラリー傷はあるものの、どれも使用感は少なく良い状態です。

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ディナープレート、スーププレート、ケーキプレートがそれぞれ4枚ずつあるので、4人家族だったのかも知れません。あるいは、あまり使われていなかったことから、例えば結婚のお祝いにもらったものの、好みではなかったとか?
いずれにしても、フィンランドのどこかの家庭から40年ほどの時を経て、まとめて出されたものです。
このシリーズについて手持ちの資料を数冊当たっても、あるいはネットで調べても一つもヒットしません。ひとつくらいは有りそうなものの、不思議です。もしかしたらスウェーデン国内では別の名前が付けられていたのか?

いずれにしても、この「Irene」シリーズの色違いなので、同時期に作られた物と見て間違いないでしょう。Ireneシリーズは1966年から1977年まで生産されました。

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デコレートデザインは、オーストリア人のRosemarie Benedikt(ローズマリー・ベネディクト)。
1939年にオーストリアのバーデンに生まれ、ウィーンでファッションデザインスクールに入学。そこで何を専攻していたのか分かりませんが、卒業後スウェーデンのロールストランドにデザイナーとして就職します。ロールストランド所属期間は僅かに1959年から64年までの5年でした。
その後、オーストリアに帰国。ウィーンのアートスクールで講師を勤めるなど、指導者としても活躍し、現在もデザイナーとしてVilleroy & Boch(ヴィレロイボッホ)やイタリアのガラスメーカーで作品を発表しています。
1993年には日本の「フジノ」に短期間住んでいたこともあるそうですが、フジノって神奈川県の藤野かな?芸術振興に力を入れて、陶器市なども開催しているそうですから。

ところで、青のIreneシリーズは、実に頻繁にあちこちでマリアンヌ・ウエストマン作とされています。以前も書きましたが、マリアンヌ・ウエストマンのピクニックシリーズの成功を受け、ロールストランドでは似た雰囲気のものが多く作られました。
最近の研究で、マリアンヌ・ウエストマン作、と思われていても別の作者の作品であるものが明らかになってきています。詳しくは2010年に書きましたので、リンク先をご覧下さい。
マリアンヌ・ウエストマン作、でない
このIsabellaシリーズはディナープレートなど大きなものから徐々にサイトにアップしていきます。まだまだ寒いですが、春夏の食卓にふさわしい雰囲気ですので、これからの季節用としていかがでしょうか。

ミタ

ところで、ロールストランドではローズマリーに少し遅れて1974年に、同じく外国から来たデザイナーがいます。北アイルランド出身のJacqueline Lynd(ジャクリーン・リンド)。彼女の場合はスウェーデンに魅せられ、スウェーデン人と結婚し、現在もスウェーデンでデザイナーとして活躍しています。彼女についてブログで何度か紹介していますが、なかなか面白い人生ですので、宜しければ2011年に書いたリンク先をご覧下さい。
English man in・・・

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