イギリス人が描いたスウェーデンの愛らしい世界

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こんにちは、一昨日の大雪のまだ残る東京です。
雪には関係有りませんが、11月にスウェーデンでUpsala-EkebyグループGefle窯の子ども用プレートを買い付けてきました。子供用の食器は、名だたるデザイナーの作品でも、肩の力の抜けたユーモラスなものが多く、ついつい手が出てしまいます。
このプレートのタイトルは”Sunrran”。お皿の内側には線路があり、電車に乗った子どもたちがスウェーデンの国旗を振って嬉しそうにはしゃいでいます。製造期間は1956年から1964年。
Sunrranの意味が分からなかったのですが、スウェーデンに1953年から始まった同タイトルのファミリー向けラジオ番組があり、制作年が番組のスタートと数年しか違わないので、何か関係があるのかも知れませんね。
内側にはスウェーデンの、のどかな田舎の風景が描かれ、草を食む牛や干草を運ぶ荷馬車、橋の上から釣りをする人、ベンチでのんびり新聞を読む人、ゆったりとした時の流れを感じます。

お皿を裏返すと工場の3本の煙突を現わしたおなじみのロゴまで手描きのイラストで、思わず笑みがこぼれます。

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参考までにこちらがオリジナルのロゴです(1955年製造 Zebraのバックスタンプ)。

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デザインはバックスタンプに名前がある、Dorothy Clough(ドロシー・クロウ)です。1930年生まれの彼女は1953年にインターンでUpsala-Ekebyに入り、そのまま1954年から1957年まで同社で勤めました。その後は独立し、70年代までフリーランスのデザイナーとしてGefleにデザインを提供していました。

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さて、スウェーデンで活躍したイギリス人女性デザイナーといえば、以前ご紹介したJacqueline Lynd(ジャクリーン・リンド)を思い出します。
ドロシー・クロウよりも18歳若い、ジャクリーン・リンドはロールストランドを離れた今も、スウェーデンでデザイナーとして活躍しています。一方ドロシー・クロウは2008年に母校を尋ねる目的でイギリスのエディンバラに帰国した際に、そのままイギリスに残り、2013年現在も中部のレスターシャー州でご存命のようです。

今回ご紹介はプレートですが、彼女はむしろ動物や人物のフィギュアで知られています。フィギュアは人柄が偲ばれるような、独特の愛らしさやユーモアが有ります。探しているものが見つからないので、今まで買い付けた事はありませんが、いつかご紹介するときがあるかも知れません。
ミタ

なじみのディーラーさんがドロシー・クロウのちょっと顔の怖い猫を持っていて、どうしようかなあ、といつも悩んでいたのですが、売れてしまったようです。顔の怖くない猫を探しています。

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