美しいニュアンス

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こんにちは。朝晩過ごしやすくなって、すっかり秋ですね。
秋の色、GefleのVariantティーカップを並べてみました。このシリーズは他に青とオリーブグリーンがあり、どれも微妙な色合いが素敵なシリーズです。
プリントは、ベタ塗りではなく、どこか中世の銅版画を思わせるエッチングのようなかすれた表現になっていて、なんともいえない深みがあります。パターンは20世紀初頭のアールデコを思わせ、全体的にクラシックでいながらモダンな雰囲気を持っています。
作者はArthur Percy(1886年-1976年)。名前を聞いてピンと来ない方も、もしかしたらHyacintの作者と聞けば、あの作品ね、と思われるかもしれません。
Gefle Hyacint モーニングカップ
すっくと立ち上がった絵画的な手法で描かれたヒヤシンスの姿が印象的な青のカップです。これもまた、Variantと同じく色のニュアンスが楽しめるシリーズで、アップで見ると繊細な青の変化に目を引かれます。
1970年代に恐らく、彼のHyacintを元にしたと思われる、Bla HyacintシリーズがGefleより出されています。
Gefle Bla Hyacint
Arthur Percyは1970年代には年齢からGefleを去っているのではないかと思われますし(90歳で亡くなるまで作品を作っていたそうですが)、プリントの手法もオリジナルHyacintとは異なるので、恐らく復刻版として作られたのではないかと思います(だから、名前が違うのでは?)。
その品物を扱っていて、こんなことを言うと何ですが、この復刻もこれだけで見ると充分美しいのですが、並べてみるとよくある復刻と同じく残念ながらオリジナルの微妙な変化のある美しさを超えていません。でも、復刻が作られるほど、このシリーズは愛されていたのでしょうね。
Hyacintが愛されていた証とでもいうか、時々訪問しているスウェーデンのブログで、このオリジナルHyacintの出てくる60年代のドラマを紹介していました。私も真似をして下に添付します。このドラマ、Hyacintだけでなく途中にあれ?と思う発見もありますよ(分かった方はコメントいただけると嬉しいです)。
Klipp ur Kråkguldet från slutet av -60-talet
蛇足ですが、女の子が頭にロウソクをつけているのは、クリスマス前に行われるスウェーデンのお祭り、「ルシア祭」の服装です。私など、ついつい例の金田一シリーズを連想してしまいますが・・・。
こちらのリンドベリによる、Gustavebergのクリスマスプレートにも頭にロウソクを被った女の子が描かれています。ご興味があればどうぞ。
Gustavsberg クリスマスイヤープレート 1983年

ミタ

ああ、なんだかあっという間にクリスマスですね!溜め込んでいるクリスマス物の準備をして、来月にはご紹介できるようにしなければ!

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