和の色、北欧の色

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おはようございます。
北欧から、自然を感じる色合いの商品が揃って入荷しました。

手前にあるのはノルウェー、スタバンゲルフリント社のエンボスが美しいシリーズ。無名のこのシリーズは貫入が出やすいのですが、比較的きれいなものが入荷しました。
奥のティーポットは、イギリス、サドラー社のものです。おそらく1970年代のもので、デンマークから入荷しました。このポットは以前も同じものがデンマークから入った事があります。鳥の形のソルト&ペッパーはスウェーデン製。

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この色合いを見ていると、なぜか今の季節にピッタリな気がしてならなかったのですが、ふと、「よもぎ色」という言葉が浮かんで、納得。ちょうど今の季節、春の初めを感じる色合いです。
和も感じる色なので、和食にもお使いになれます。こういう自然を思わせる色合いは洋食器、特に日常の食器に良くありますね。人々が自然とともに生きているのは、どの国にも共通だからでしょう。
英語ではやはり植物の名前、オリーブ色なのでしょうか。けれども、オリーブよりも「よもぎ」と耳にするのは、日本人にとっては香りまでありありと浮かぶ、春を象徴する響きです。
こういった色に季節を感じるのは、ある程度、四季の違いがはっきりとしている国に生まれ育った人ならば共通の感覚です。日本に限らず、世界のどこででも、あるものなのですが、日本の場合はその色の名前に何とも言えない美しさがあります。
緑なら海松色(みるいろ)、萌葱(もえぎ)、裏葉柳(うらはやなぎ)は植物の色から。青磁色(せいじいろ)は磁器の釉薬の色からです。
青になると、私が学生時代(日本画専攻でした)一番好きだった浅葱(あさぎ)は、葱の葉の色のこと。淡い水色の瓶覗(かめのぞき)は藍染の瓶に一回浸けただけの色からです(藍染は何度も何度も藍に浸けてあの濃い色を生み出します)。
せっかくの美しい日本語なのに、色の名前はどんどん外来語に置き換えられていっていますね。例えば、雑誌やテレビで”エクリュ”というフランス語の色を覚えている人でも、それが日本語で”亜麻色”と呼ばれているなんて、どれだけの人が知っているかな、と思うとちょっと寂しい。
些細なことなのですが、私はフクヤ通信を書くときでも、商品説明を書くときでも、出来るだけカタカナ言葉と短縮言葉を使わないように気を付けています。
フクヤの仕事では外国のものを扱い、外国語でやり取りをすることがとても多いので、かえって神経質になっているのかもしれませんが、古いものを大切にするという気持ちと、日本の言葉を大切にすることには共通のものがあるのかな、と思っています。
ミタ.

実に個人的な意見なのですが、例えば最近良く耳にする”リスペクト”。どうして”尊敬”と言わないのか・・・・。どうしても外国語でなければ言えない物まで日本語で、とは思わないのですが、これには、ものすごい違和感があるんです。

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和の色、北欧の色」への11件のフィードバック

  1. ミタさんの文章が読みやすい理由はそうだったのか・・・と納得。外来語多用の文章は軽やかそうに見えてザラっとした感覚が残ります。「萌葱・亜麻・茜・よもぎ・・・」は匂いや風情を運んでくれますね。ああ、いてもたってもいられない!よもぎ餅買ってこよう♪

  2. 和っぽい雰囲気が素敵ですね。
    私も「リスペクト」に違和感を持つ一人です。
    日本の政治家の発言なんかも、日本語で表現すればいいのになぁと思う時があります・・・。

  3. >>もももままさま
    日本の名前は漢字の美しさもありますよね。と、いいながら、実はパソコンばかり使うので、漢字をどんどん忘れています。これでは、いけませんねー。
    >>noirさま
    日本語を大切にする人に日本の事を任せたいかも・・・。代わりになる日本語がないのなら兎も角。
    そういえば、代わりになる言葉がなくて、外国語になっている日本語(「オタク」とか)に最近は「ビミョウ」が加わったという噂を聞きましたよ!

  4. よもぎ餅食べました。オリーブの鳥さん、何回見てもよもぎ餅にしか見えないんだけど・・・。特に下の写真!

  5. >>もももままさま
    ええ!本当に買って来られたのですね。ものすごい行動力(食欲?)。
    そうなんですよ。濃い緑の点々が入っているところなんて、よもぎ餅そのものなんです。

  6. 素晴らしい!
    ミタ様素敵☆最高♪(告白何回目?)
    私も、リスペクト・政治家のマニュフェスト・食べれる等の『ら』抜き言葉が特に気になります。
    なんて、たまにメール上のみですがキモいと言ってしまいます(^_^;)
    反省・・・
    素敵な色には素敵な名前(あっ!ネーミングって言ってしまうなぁ(*_*)反省再び・・・)ですね☆
    あっ!アラフォーとかアラ還とかもだ!
    反省三度・・・(T_T)

  7. >>★ツカッチ★さま
    いやー、そんなに激しく反省されなくても・・・。既に日本語になっている言葉もありますし、短縮言葉にした方が感情や心情がより伝わる場合もありますから、そんなに神経質になる必要はないですよー!
    ただ、「ら抜き」は私もどうしても気になって仕方ないです。なぜかなあ?

  8. 関西弁の会話には「ら抜き」が案外多いんです。「来れる?―来れへん。食べれる?ー食べれへん。しゃべれる?―しゃべれへん。見れる?―見れへん。」てな具合。

  9. >>k7さま
    確かに!話は違いますが、関西弁の「~しはる」。私が祖父と話しているのを聞いた東京の友人が「それって敬語?」。「そうねえ」と答えると「おじいさんに敬語を使うなんて!」と感心されたことがあります。
    でも、ちょっと学校で教わる敬語とは違うのですよね。上手く説明できなかったのですが。

  10. 「おじいちゃんがそう言うてはった。」「お母さんがもうすぐ来はるから待ってんねん。」「お姉ちゃんはもうお嫁に行かはったし・・。」「先生!○○ちゃんが邪魔しはるぅ」等々。自然に柔かい気持ちになる言い方やねえ。確かに説明するのは難しいです。
    「ら抜き」は「受け身や尊敬語」と「可能」とを無意識に区別してはんのかなあ。

  11. >>k7さま
    方言の雰囲気や使い方を説明するのは難しいですよね。普段は全く意識していないで使っていますから。私は東京の人と結婚をして、初めて関西弁に過去形があることに気が付きました。「~ってん」は、過去形ですよねー!

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