この美しいウォールプレートはFiggjoのSAGAシリーズの1枚です。
以前にもこのフクヤ通信で触れましたが、Saga(サガ、サーガ)とは12世紀から14世紀に編纂された英雄伝説のこと。北欧各国にサーガがあるそうですが、Figgjoのあるノルウェーには歴代の王の物語を描いた”王のサガ”が有るそうです。
この北欧伝説は有名なワーグナーの「ニーベルングの指環」の元となっているそうで、そのワーグナーを愛したバイエルン国王ルードヴィヒの半生を描いた、ルキノ・ヴィスコンティの映画が、これまた有名な「ルードヴィヒ」です。
実はこの映画、高校生くらいのときにリバイバル上映を観たのですが、(当時のタイトルは、「ルードウィヒ/神々の黄昏」) 全くストーリーに付いていけず、だんだんまぶたが重くなり、目を覚ましたらすっかり話が終わってしまっていて、ぽかんとした思い出があります。(上映時間が3時間もあったのです!)
当時は時代的背景や、ルードヴィヒ王について何も知らなかったので、大変難解でしたが、今はもう少し知識も増えたので、もう一度トライしてみたいですね。(って何に挑戦するんでしょう?)
ただストーリーは全く理解しなかったものの、ヴィスコンティのお得意の豪華絢爛な舞台や衣装には目を奪われ、今でも忘れられません。貴族出身の彼は趣味の高さでも大変知られていたそうです。
さて華やかと言えば、FiggjoのTuriデザインの中でも華やかなシリーズの一つが、この同じく北欧英雄伝説をもとにしたSagaの連作です。Turiらしいかわいらしい絵柄はそのままですが、Lotteシリーズや、Marketシリーズと比べるとその違いが分かるでしょうか。
黒を除けば、使っている色はたった4色。でもその4色の使い方がとっても上手です。例えば、青い馬に乗るのは、赤い服の男性。赤い馬に乗るのは青いスカートの女性。こうやって対照的な色を組み合わせることで二人が輝いて見えます。
更にその馬たちを挟んでいる男性の服装は、緑の上着に青いパンツという弱い配色なので、後ろに引っ込んで見え、強い配色の馬上の二人の姿を際立たせることに。
こういう色選びのセンスの良さは、天性の物ももちろんですが、ヴィスコンティが貴族階級という環境の中で趣味を磨いたように、周りの環境も大いに関係しているはず。
そう思って、こんなノルウェーの家並みを見ると、赤、青、黄の壁に木の緑という4色がSagaに使われている色と同じで、なるほどなあ、と思ってしまいますね。
これは、去年の夏にノルウェーの古都、ベルゲンで撮った一枚です。
そんな事を思いながら旅先で町を眺めてみるのも、新鮮な発見があってなかなか楽しいものですよ。
ミタ
結婚と言えば、4年に一回訪れる、今年の2月29日は私たちの結婚記念日です。