おはようございます。今朝の目覚めはいかがでしたか？
さて、この目の覚めるようなピッチャーは、アラビアの1960年代の作品、Valpuriです。デザインは、Gunvor Olin-Gronqvist（グンヴォル オリーン グレーンクヴィスト）。
“Valpuri”を、フィンランド語＝英語辞書で調べると”vigilant（警戒している）” “awake（危険などに気づく）” “alert（油断の無い）”という意味だとありました。
どこからそんな名前が付いたのか分かりませんが、そう思ってみれば、この大きな丸が警告をしている目のようにも見えてくるから、不思議です。
Valpuriには、ほかにもマグカップやクリーマーがあるようですが、滅多にお目にかかれません。また、日本と違い早くから食器洗い機が普及していたため、色がはげるといった損傷が目立ち、状態の良いものは見つかりにくのです。
色はこの緑＆ブルー系のほかにブルー＆レッド系があり、資料写真で見る限りではそちらのほうが”警戒”風です。
このシリーズが発表された1960年代は、大胆な色とパターンのマリメッコが世界的にブームをおこしていました。アラビアはそれを受け、マリメッコ風のデザインをいくつか発表したのだとか。
さて、このピッチャーを見つけたのは、フィンランドの小さな屋内マーケットだったのですが、手に取ると値札には”マリメッコ ピッチャー”と。フィンランド人も間違えるほどのマリメッコ風と言えるのかも知れません。
値札を眺めていると後ろに立っていたおじさんが（というか、よほど日本人が珍しかったのか、観察されていた）「これマリメッコじゃないよ」と教えてくれました。もちろんこれがアラビア製で、マリメッコではないことも知っていたのですが「そうなんですか。どうもありがとう」と驚いて答えました。
このピッチャーを見ると、そのとき遠巻きに私の一挙一動を見ていた、おじさんたち（そう！1人や2人ではなかったのです！）に気が付いて「どうしよう、付いてくる」と緊張しながら歩いていたのに、案外親切な人だったのが”警戒”という商品名とともに思い出され、なんだか可笑しくなってくるのです。
ミタ
