さて、前回書いたとおり、5月の第2日曜日はフィンランドの母の日。日にちは日本と同じですが、お祝いの方法は独特で、お母さんには森や道端で摘んだヴォッコという野性のアネモネを贈り、何かプレゼントしたり、一緒に食事をして過ごします。
写真はそのヴォッコの花。一重の白い花で、花屋で見るような華やかなアネモネとはかなり異なります。
また、この日は旗日で街のあちこちに国旗が掲揚されているだけでなく、ほとんどのお店(スーパーやデパートも)休みです。ただ、お母さんに花を買うための花屋と、一緒に食事に行くためのレストランは開いているとか。
花はヴォッコ以外にもバラを贈る習慣があるようで、ラッピングされた小さな花束を持ってバスやトラムを待つ人を沢山見ました。
写真は手に贈り物の花を持って歩く小学生くらいの男の子たち。携帯で話しながらの子、サングラスをしている子、と随分と大人びていますね。
ちなみに、この後スウェーデンに行ったので母の日について尋ねると、特別なことはなく普通の日曜日と変わらないとか。しかも日にちも5月の最終日曜日と異なるそうです。
さて、この日の午後はヘルシンキの中央駅前にほど近いアテニウム美術館で開催している「トーベ・ヤンソン展」に行きました。通常日曜日は開館しているのですが、特別な日なので、もしかしてダメかなと心配したのですが、開いていてほっとしました。
ご存知の方も多いと思いますが、トーベ・ヤンソンは童話「ムーミン」シリーズの生みの親です。長い鼻を持った小さな生き物ムーミンと仲間たちは今やフィンランドを代表するキャラクターとなっています。
今年(2014年)はトーベの生誕100周年にあたり、それを記念した大規模展覧会がアテニウム美術館で開催されている、と言うわけです。
展示はやはり芸術家だったトーベの両親の作品や、自身の子供のころの作品から始まり、1930年代から70年代までの彼女の油彩作品が数多く展示されて、日本ではあまり知られていない画家としての側面を見ることができました。
また、戦時下に描いた雑誌の表紙イラストを初め、数多くの挿絵作品、そしてムーミンの作品と続いています。
ムーミンは挿絵の展示だけでなく、物語の一場面を切り取った模型作品、また日本を含め各国で作られたムーミンの動画スチール、アラビアのムーミンシリーズや様々な本など、ありとあらゆるムーミンにまつわる展示がされています。
印象的だったのは、イラストの構想図(エスキース)と完成作品の比較。エスキースの段階からの完成度の高さには舌を巻きました。
ただ個人的に感動的だったのは、ムーミンではなく数点展示されていたロマンチックな大作。色やモチーフに物語が溢れていて、うっとりとした気持ちにさせてくれます。館内は撮影禁止だったので写真が撮れず、お見せできないのが残念です。
ミュージアムショップではムーミングッズが充実。実はムーミンを読んだことがないのですが、展示をみて読んでみたくなりました。ショップには日本語の本が無かったので、帰国したら図書館にでも行ってみます。
開催期間は9月7日まで。日本人のお客様も多いのでしょう、日本語のリーフレットも用意され、予約で日本語ガイドによる無料講座もあるようです。詳細は下記リンク先からご確認ください。
アテニウム美術館 英語サイト→Ateneum Art Museum
*リンク先にはトーベ・ヤンソン展の日本語サイトへのリンクが有ります。
こちらは美術館でもらえる日本語リーフレット。海外での日本語リーフレットは往々にして内容が割愛されていることもあるので、念のため英語も持って来たのですが、ちゃんと訳されていて、その必要はありませんでした。
このあと、フェリーでスウェーデンへ向かったのですが、長くなったので続く。
ミタ
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