デンマークのクリスマス(ランチ編)

150113-4.jpg

北欧ではクリスマスの本番は12月25日ではなく、24日です。クリスマスディナーもプレゼント交換も24日に行います。「他の国は25日までプレゼントを待たなくてはいけないなんて可哀想ねえ」と友人。

その24日にデンマークの友人宅へお邪魔しました。ツリーの周りにはプレゼントが積まれています。プレゼントはこうして24日までツリーの下に置いて、夕食後に開けるのが習わしです。

150113-3.jpg

窓辺のキャンドルの前には東方の三博士の小さな人形。北欧は防寒のため壁が厚いので、この様に窓辺に深いニッチができ、そこに様々な置物を飾るようになりました。

150113-2.jpg

北欧にはサンタクロース伝説が入る前に古代の信仰として家には小さな妖精、ニッセが住んでいるとされていました。ニッセにはクリスマスイブにお粥をあげないとイタズラされてしまいます。

150113-1.jpg

日本でいうと妖怪的な存在だったニッセですが、今はサンタクロースの伝説と混ざり、赤い帽子をかぶったサンタのお手伝い妖精として可愛らしく変化しました。

150113-22.jpg

ニッセの伝説は、北欧各国にあり、ノルウェーはデンマークと同じニッセですが、スウェーデンではトムテ、フィンランドではトントゥと呼ばれています。

150113-23.jpg

ニッセは絵画の世界ではしばしば猫と一緒に描かれます。理由は良く分かりませんが。
それにしても家中に飾られたニッセが可愛らしい!

150113-21.jpg

この家は100年ほど前に建てられました。奥の緑の長椅子はご主人が実家から持ってきた1960年代のものです。クリスマスディナーに来たお姉さんが「これ、覚えてる!」と喜んでいました。

150113-5.jpg

ディナーの前にランチの用意です。この赤いテーブルはご主人の手作り。

150113-6.jpg

昼食はデンマーク名物のオープンサンドです。パンや具が次々に並べられました。

150113-7.jpg

デンマークの食事にはコースの順番のようなマナーがあります。お皿は大小が重ねて出され、まず上の小さなお皿で魚料理を食べ、その後下の大きなお皿で肉料理、最後にチーズなどのデザートを食べます。この順番は自分で作るオープンサンドでも同じです。

150113-8.jpg
150113-9.jpg

魚料理のスタートは、ニシンの酢漬け、カレー卵サラダ(リンゴとピクルス入り)、レッドオニオンのスライス。

150113-10.jpg

ニシンの酢漬けにカレー味?と最初は不思議な気持ちがしましたが、これが絶妙な組み合わせで美味しい!新たな味の発見でした。この組み合わせは友人のオリジナルではなく、デンマークでは普通に食べられている物。デンマーク料理は意外と古くからカレー粉を使うものがあり、ミートボールにカレーソースは定番の組み合わせです。

次の魚料理は、ニシンの酢漬けを揚げ、また酢に漬けたもの。

150113-11.jpg

これは日本の南蛮漬けのような味でした。
と、ここで魚料理は終了し、お皿が片付けられます。まだ魚の具は残っているのですが、お皿が変わるともう誰も魚に手を出しません。これはデンマークの鉄壁のルールなのでしょうか。後で後悔しないように、お皿が変わる前に「お代り」宣言をしないと食べ損ねてしまいます。

150113-12.jpg

肉料理は、これもデンマークの定番の味「レバーパテ」です。レバーパテはデンマークの子どもたちの好きな味No.1だそうで、ホテルの朝食にも必ず出てくるメニューです。

150113-13.jpg

レバーパテには、カリカリのベーコン、マッシュルームソテー、ビーツの酢漬けを乗せます。これもデンマークでは定番の組み合わせということでした。
この組み合わせも絶妙で、驚く程美味しい!実はレバーが少し苦手なのですが、ベーコンのカリカリ、ビーツの甘酸っぱさ、マッシュルームの香りで全く気になりません。

150113-14.jpg

そして、肉料理の最後はローストビーフです。

150113-15.jpg

ローストビーフにカリカリオニオンとピクルスを乗せ、マスタードソースをたっぷり。これは間違いのない味ですね。

150113-16.jpg

最後はチーズで終了。

150113-17.jpg

少しずつですが、お腹いっぱいになっていました。これで、これからのクリスマスディナーに耐えられるのでしょうか?

食事の後、散歩がてら、というか、腹ごなしというか、教会のクリスマスミサへ連れていってもらいました。

150113-18.jpg

デンマークでは「一生のうち3回教会にお世話になる。赤ん坊の時の洗礼、結婚、葬式」というほど、あまり敬虔とは言えないデンマーク人ですが、クリスマスは特別なようで、この地元の教会ではイブに4回もクリスマスミサが行われるそう。

150113-19.jpg

パイプオルガンだけでなく管楽器と弦楽器の演奏、プロ(あるいはセミプロ)による混声合唱、全員での聖歌合唱、そして司祭の説教、また聖歌合唱、といった流れ。飽きないようにプログラムが工夫されていて、全員で歌う合唱も皆が知っているような人気の聖歌が選ばれています。
司祭の説教は、デンマーク語なので、中身は分かりませんが、所々笑いが起こるカジュアルな雰囲気(後で聞くと、最後のオチは「寄付の連絡先はこちら」だそうです)。教会離れが起きている昨今、これくらい工夫しないと足を運んでくれないのでしょうか。

デンマークの教会には船がこのように飾られています。友人に理由を尋ねると知らないと、わざわざ調べてくれました。いわく、昔は動物か船を供物にささげる習慣があったから、だそうです。それにしても「デンマークの教会にはどこも船が下がっているのよ」と教えてくれたお姉さんも理由を尋ねると「知らない」と言うし、日常すぎて全く考えたことがないんですね。

150113-20.jpg

ミサが終わり、外に出るとすっかり暗くなっていました。これでも夕方の5時前。クリスマスの時期は一年で一番日が短いのです。

150113-24.jpg

それにしても、まだお腹が空きません。これでディナーは大丈夫なのでしょうか?

「ディナー編」へ続く(いつか多分)。

女性司祭だったので”デンマークの瀬戸内寂聴”と密かに名づけました。

フクヤのオリジナルコーヒー。北欧のシーンに合わせて選ぶ3つのブレンド。
hokuou-coffee.gif

【この記事をシェア】

コメントを残す

関連投稿

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る