2月21日にアップする商品について調べていたら面白い背景があったので自分用の備忘録を兼ねて書きます。
スウェーデンで買い付けたガラスの花瓶。裏にエッチングされた文字からメーカーはReijmyre(レイミューラ)、シリーズ名はKungapokalen(クンガポカレン)。
表面には王冠が浮き出すように連続模様で描かれています。
裏のエッチング文字はハンドライティングなため読みづらく、何と書いてあるのか読み解くにはちょっと時間がかかりましたが、それさえ読めればあとは背景が分かってきます(分からない場合も少なくはないですが)。
デザインはPaul Kedelv(ポール・ケドルフ 1917-1990)。彼は1931年(14歳)からオレフォスで職人として修行を積み、1949年から1956年はFlygsfors(フリーグスフォース)で、1956年から1977年はレイミューラでガラスデザイナーとして活躍。他にもフリーデザイナー として多くのメーカーにデザインを提供しました。
このクンガポカレン花瓶は1975年から数年間製造されました。その間、数千個が作られましたが、主にレイミューラの敷地内売店で販売され、一般市場にはあまり出していなかったそうです。
面白いのは、最初の1個は1975年5月27日にスウェーデン国王カール16世グスタフがガラスを吹いて作ったということ。ちなみにクンガポカレンとは「国王の杯(トロフィー)」の意味。
この日に国王が訪問すること、吹きガラスを体験することが分かっていて、特別に用意したデザインだったのではないかなあと想像しています。王冠入れようよとか、トロフィーの形はどうかなとか、考えて。 そうやって作った記念デザインだから、工場内での販売に限っていたのでしょうか。
ちなみに下の写真は1976年の国王カール16世グスタフです。吹きガラスを吹いているところ、この写真の姿で想像しています。
King Carl XVI Gustaf Inside A Ford Car
ミタ