買い付けでは郊外を周るので小腹が空いても気の利いたカフェやベーカリーがすぐに見つかるなんてことはありません。でも大抵の郊外の小売店にはちょっとした喫茶コーナーがあるので、寛いでいる地元のオジサンやオバサンに混ざって一息つくことがあります。ここもその一つ。
ガラスケースに並んだ、フィンランドならではのスナックの中から、Voisilmapulla(ヴォイシルマプッラ)とRahkapulla(ラハカプッラ)のどちらにするか迷って、結局両方にしました。ちなみに四角いドーナツはMunkkipossu(ムンッキポッス)といい、直訳すれば”豚ドーナツ”。端っこを豚の耳に見立ててちょっと引っ張って成形し、中にジャムが入っています。
閑話休題。プッラはフィンランド語で、こういった菓子パン(発酵菓子)のこと。ヴォイシルマプッラは「バターの目のパン」という意味で、中心に砂糖バターが入っています。ラハカプッラはラハカというサワークリームのような発酵乳を砂糖で甘くしたものが中央に入っています。
紅茶はムーミンのイラストの描かれたティーバッグにしました。あんまりにも前の事でフレーバーの種類が思い出せませんが、美味しかったのは覚えています。
また別の日に、倉庫型ショップの前にテーブル一つの小さな屋台が出て、おばあさんが店番をしているのが目に止まりました。ここには何度も来ていますが、店頭で何かを売っているのは初めて見ました。日曜日だったので、寄付か何かの関連で近所の方が出店していたのかもしれません。
プラスチックの覆いの下に並んでいたのは、フィンランドのスナック、リハピーラッカ(肉ピロシキ)。
紙には「今日揚げたリハピーラッカ 1個2ユーロ」とあります。
お店のオーナーさんが「彼女のは美味しいわよ、私を信じて!」と勧めてくれました。
1個買い求めて、その場を離れながら食べてみると、美味しい!
今まで何度かフィンランドでリハピーラッカを食べましたが、油っぽくて気持ちが悪くなる、具が少ない、味がイマイチと、あまりいい思い出はないので、正直言うと期待していませんでした。ところが、これは具がびっしりと入って丁度いい味付け、外側はカリッと香ばしく、生地はふんわり。
踵を返して販売のテーブルに戻り、知っている数少ないフィンランド語「Hyvä(美味しい)」と言い、もう1個くださいと身振りで伝えると、シャイで目をあまり合わせてくれなかったおばあさんが恥ずかしそうにニッコリしてくれたので、私も嬉しくなりました。
いや、しかし、おばあさんの手作りという贔屓目なしで、今回のフィンランド滞在で食べたもので一番おいしかった。
そうやって時々オヤツでパワーを補給しながら買い付けたものたちです。
マリメッコの古着を少し買ってみました。
こうしてまだまだフィンランドは続く。
ミタ
古いボタンたち。