ハートの連続模様が愛らしいスウェーデンのロールストランド製Silja(シルヤ)のオーブン用浅皿です。
グラタンはもちろん、単に野菜を並べてオーブンで焼いてもいいし、こんな風にお菓子に使っても(これは撮影のために別の容器で作ったものを移していますが)。
このお菓子はスウェーデンではお袋の味のひとつ、ベリーパイのアレンジです。パイと言ってもイギリスのアップルクランブルと同じく、フルーツの上にクランブル生地をかけてオーブンで焼いたもの。今回は解凍し水けを切った冷凍のベリーミックスに、砂糖、小麦粉、アーモンドプードル、バターを同じ重さ(50gずつ)で作ったクランブル生地で。以前エヴァさんに教えてもらったレシピのオートミールをアーモンドプードルに替えた感じです。
さて、実は春の買い付けで一つ買い付けてきたら、サイトに既に同じものが一つアップされていました。なので、在庫を足して、今は二つになっています。家族分欲しかった方はどうぞこの機会にご利用ください。
ところで、話は遡りますが、この仕事を始めたばかりの10年チョイ前にフィンランドでディーラーさんに「Silja(シルヤ)はビルイェル・カイピアイネン作と言われているのよ」と教えてもらいました。その時は今よりもずっと知識が無くて、心の中で『ロールストランドはスウェーデンなのに、カイピアイネンなんて変ねえ』としか思わなかったのですが、その数年後にカイピアイネンがロールストランドに招聘されてデザイナーとして働いていた時期があると知り、ハッとこの話を思い出しました。
カイピアイネンがロールストランドに所属していたのは、1954年から58年。当時のカイピアイネンの作品はロールストランド博物館に所蔵されています。ご興味のある方は下記リンク先からご覧くださいね。記事中ごろに写真があります。
ロールストランド博物館に行ってきた(その2)
Silja(シルヤ)は作者不明のシリーズとしては珍しく、製造期間が分かっています。1961年から67年。カイピアイネンがデザインしたとすれば面白いのですが、製造年から思うと、恐らく違う人でしょう。
と、ここまで考えて、ふとあることに気が付きました。Silja(シルヤ)はフィンランドとスウェーデン間のフェリーを運航しているフィンランドのフェリー「Silja Line(シリヤライン)」と同じ綴りではないですか。では「Silja」って何なのかしら、と調べるとフィンランドの女性名でした。
もちろん北欧全般では言葉が共通していることが多いため、スウェーデンでも使われてはいますが少なく、主にフィンランド(と、フェロー諸島)で付けられる名前だそう。実際フィンランドでは11月22日がSiljaの名前の日ですので、かなり一般的に使われているのでしょう(名前の日についてはいつかそのうち…)。
カイピアイネン説は、もしかして当たらずも遠からずで、デザインにフィンランドが関わっていたのかも?シリーズ名からそんな想像が広がっていきました。
あるいはフェロー諸島?それは多分違うなあ。
名前の日についてはこちらをご覧ください。