友人の青木順子さんの訳による新刊『うちって やっぱり なんかへん?』をご紹介します。青木さんはノルウェー語の翻訳・通訳家で、ノルウェー情報を発信する「ノルウェー夢ネット」の代表でもあります。
物語の語り手は60年代初めのノルウェーの少女。作者のトーリル・コーヴェさん自身の体験がベースとなった自伝的なお話しです。
少女の両親は建築家のため、デザイン意識が高く、インテリアは「あしが3本しかない」アルネ・ヤコブセンの椅子、ルイス・ポールセンの照明、マリメッコのウニッコ柄カーテンと北欧名作デザインがずらり。飾られている絵はモンドリアンっぽい現代抽象画。子どもたちの服はお母さんが「フィンランドのカラフルな」マリメッコの布で作った手作りワンピース。今ならSNSで「いいね!」を集めそうなオシャレファミリーですが、当の子どもはそれが嫌で嫌で仕方ない。
どうして、うちは普通じゃないんだろうと神経性胃炎にまでなってしまいます。でも、あることがきっかけで”へんてこな”両親を受け入れることに。
子どもが自我に目覚め、周りに反発し、受け入れるまでの過程が愛らしい絵と分かりやすくユーモラスな口調で描かれています。まさに、その真っ只中のお子さんだけでなく、大人でも「あるある」とニヤリとしてしまうはず。憧れの60年代北欧インテリアが、子ども目線でこき下ろされるのが、逆説的で爽快。
発売開始は2月16日から。ネットの本屋、Amazonではすでに予約販売が始まっています。下記画像をクリックするとAmazonのサイトにリンクしています。
また、この出版を記念して2月19日に絵本をテーマにしたトークイベントがあります。会場は渋谷のLOFT9。
登壇は、翻訳をした青木さん、「フィンランド語は猫の言葉」で知られる稲垣美晴さん、北欧ライターの森百合子さん、元デンマーク大使館職員のイエンス・イェンセンさんが絵本の魅力を語ります。
会場ではショートムービーの上映、北欧フードや北欧の本や雑貨の販売もあるそう。お申し込み方法など詳細は下記リンク先からご覧くださいね。
トーキョー ノーザンライツ フェスティバル 2017「北欧からの贈り物 絵本とわたし」
ところで、写真で絵本を抱えているのは、先日入荷した「フィンランドのカラフルな」服をリメイクした子ども用のワンピース。お母さんが娘のために作ったものでしょうか。春にはサイトにアップしますね。
ミタ
稲垣美晴さんの「フィンランド語は猫の言葉」はフィンランドに興味のある人にとってバイブル的な本。私も、もちろん読みました。下記の表紙画像のクリックで販売サイトへ飛びます。