会社勤めの方には関係の無い話題ですが、昨日確定申告を無事提出し、個人的な身辺のことも一段落し、ようやく春の気分の今日ですが、ものすごい大風の日ですね。
どうやら、春一番が吹き荒れているらしく、気温が上がり暖かくなったので、先週まで自分のベッドから一歩も出なかった我が家の猫も朝から機嫌良く、強風でいろんなものが音を立てて転がっているのを窓から観察している平和な朝でした。
と、だらだらと書き始めましたが、今日はのんびりとした内容にしようかと、選んだのは春にふさわしい、アラビアのフローラシリーズ。
フォルムは Ulla Procopé(ウッラ・プロコペ)の代表的なSモデルに、Esteri Tomula (エステリ・トムラ)が得意な植物を描いています。製造は1979年から81年と、当店の扱っている中では比較的最近。
60年代、70年代は半具象や抽象的なデコレーションが多かったエステリ・トムラですが、この頃からやや具象に傾いています。その後80年代になると、ボタニカルアートとも呼べるほど具象的な作品を多く作るのですが、この頃はそこに至る前の中間期かな。
さて、デコレートに付いてはさておき、先日開催したアロマテラピーの講座で参加のおひとりがフローラのティーカップを指し「スープ用ですか?」とご質問頂いた時にお話しした事が思いもかけず「へー」と反応していただいたので、ここで改めてご説明します。
コーヒーカップとティーカップの形が異なるのには意味があります。
まずはティーカップ。アラビアのフローラ(Sモデル)は容量がやや多めの約270cc(満水で)。
ティーカップの特徴は背が低く、口が広いところです。これは、一つは紅茶は色を楽しむものなので、色がきれいに見えるために、もう一つは紅茶は熱湯で淹れるので、口が広いと飲む温度まで冷めやすい点にあります。
同じくフローラ(Sモデル)のコーヒーカップは満水で約170ccと、北欧のコーヒーカップにしては多めです。
というのも北欧のコーヒーカップは150ccが基準で、余談ですがフィンランドの人にケーキのレシピを教わったら、計量単位に「コーヒーカップ」があって驚きました。「1コーヒーカップ=150cc」だそうです。
さて、コーヒーカップは背が高くて細い形をしています。それは、コーヒーの特長である香りを逃さないためです。また、紅茶と違ってゆっくりと飲むので、口が狭いほうが保温性があります。そもそも、紅茶と違って熱湯で淹れることもないですしね。
春一番が告げる春のスタートに、花柄の愛らしいカップを用意されてはいかがでしょうか?
ミタ