デンマークから狩猟柄のアッシュトレイ(灰皿)が入荷しました。メーカーはデンマークの国民的デザイナーBjørn Wiinblad(ビヨン・ヴィンブラッド)の作品で有名な、Nymølle(ニュモレ/ニモレ)です。
このイラストはWiinbladでなく、Paul Høyrup Jørgensen(1909-1971)によるものです。Wiinbladが人物に焦点を当てたイラストを多く手掛けているのに対し、Høyrupは街並みのような景観を好み、鳥瞰図を思わせる街のイラストを描いた作品も多く作っています。
このアッシュトレイを真上から見ると、このように三角形をしています。中心の黄色が周囲の青い色と強いコントラストを生み出しています。
Wiinbladの描く人や動物のように、その性格や感情が伝わる表現ではなく、馬に乗って狩りをする人物、追う犬、追われる動物たち、植物や石などが均等にパターンとして描かれ、それが不思議と画面に緊張感を与えています。Høyrupは人物も動物も景観の一部のように考えていたのかも知れません。
この作品名は「Hubertus」。Hubertus(フベルトゥス)とは7世紀から8世紀に生きた、狩人の守護聖人の名で、祝日は11月3日です。
ところで、コペンハーゲンから電車で15分ほど北へ向かったクランペンボー(Klampenborg)の街には、有名な鹿公園「Dyrehaven」があります。1500ヘクタール(1千5百万平米)の広大な敷地には2000頭以上の鹿が暮らしています。元々は王室狩猟所でしたが、今は入場無料の公園と遊園地を併設する庶民の憩いの場となっています。
昨年(2013年)の秋の買い付けではその公園の近くに宿泊したので、ついでに散歩をしてみました。
鹿に会えないかな、と淡い期待をしたのですが、なんと欧州を襲った11年ぶりの大嵐の日に当たってしまい、身に危険を感じたのであえなく10分ほどで断念。
この通り、垂れ込める暗雲の下で遊園地も人の気配が無く、寒さに身を縮めているようでした。
その鹿公園では毎年11月の第1日曜日(実は私がこの公園を散歩した翌週のこと)に聖人フベルトゥスの名を冠した狩猟イベント「Hubertusjagt(フベルトゥス狩猟)」という伝統的なお祭りが行われます。
楽しみのために動物を狩る「レジャーハント」は心底嫌いなのですが、現在このデンマークのイベントでは犬も使わず、狩猟も行わないと聞いて安心しました。
この動画を見ると障害物レースのようなものなのでしょうか?毎年何千人もの人が見学に訪れるほど人気なのだとか。
さてさて、この灰皿は来週あたりに新着でアップ予定です。灰皿としてだけではなく、写真のようにアクセサリーを入れたり、玄関で判子や鍵の保管場所にもどうぞ(鍵にはちょっと小さいかな)。
ミタ
2000頭の鹿の中には日本鹿もいます。以前アイルランドの自然公園で、かつて日本鹿が狩猟の対象のために輸入され今もその子孫が暮らしている話を聞いたことがあるので、デンマークでもそうなのかと思います。狩るために輸入するなんてね…。